英チャンピオンS(G1)マジカルVSディアドラ「ポスト・エネイブル」対決に、デットーリ×ゴスデン厩舎の「正統後継」が殴り込み!?
19日には、英国のアスコット競馬場で英チャンピオンS(G1)が行われる。欧州の中距離王者が一堂に集う、このレース。今年は日本からディアドラが参戦するほか、有力馬に牝馬が多く「ポスト・エネイブル」をめぐる戦いになりそうだ。
中心は、すでに牝馬の枠を超えた存在になるマジカル(牝4歳、愛・A.オブライエン厩舎)だ。
G1こそ3勝止まりだが、2着が5回もある堅実派。それもエネイブルやクリスタルオーシャンの2着ということもあって、その実力は本物だ。
特に今年の愛チャンピオンS(G1)では、ディアドラを相手に完勝。2着に2馬身1/4差をつけ、実力の差を見せつけている。前走の凱旋門賞(G1)こそ5着に敗れたが、ここでは負けられない存在。世界牝馬No.2の実力を再び示すか。
日本のディアドラ(牝5歳、栗東・橋田満厩舎)にとっては、大きな挑戦になるが、好勝負を演じられる可能性は示している。
英国のグッドウッド競馬場で行われた今年のナッソーS(G1)勝利は、日本競馬にとって歴史的な快挙だった。英チャンピオンSほどの知名度や格はないが、ゴール前で最後まで粘っていた2着馬メダーイーはG1勝ちこそないものの、今年の英オークス(G1)で1番人気に推されたほどの素質馬。
他にも英、愛1000ギニー(ともにG1)を制し、欧州3歳牝馬No.1マイラーのハモーサ、仏オークス馬チャネルなどトップクラスの3歳牝馬が出走しており、決して楽なメンバーではなかったはずだ。
前走の愛チャンピオンSは4着に敗れたものの、2着マジックウインドとはアタマ+半馬身差。3着が今年の英ダービー馬だったことを思えば、ここでもチャンスはあるはずだ。あとはマジカルとの差をどう埋めるか、乗り慣れてきたO.マーフィー騎手の手腕に期待だ。
そんなディアドラにもう一頭、厄介なライバルがいる。G1連勝中のコロネット(牝5歳、英・J.ゴスデン厩舎)だ。
昨年からキングジョージ6世&QES(G1)3着やヨークシャーオークス(G1)2着など、一流馬の仲間入りを果たしていたコロネットだが、今年になって昨年2着だったサンクルー大賞(G1)を勝ち、ジャンロマネ賞(G1)でG1連勝。いよいよ本格化してきた印象だ。
ゴスデン厩舎にL.デットーリ騎手といえば、世界女王エネイブルと同じ。ポスト・エネイブルは、この馬こそ「王道」といえる存在だ。ここを勝つようなら、名実ともにNo.2まで駆け上がるか。