JRA天皇賞・秋(G1)「天皇陛下サイン」横山典弘&「復調」スワーヴリチャードが人気どころを粉砕?
27日に開催される天皇賞・秋(G1)は空前の豪華メンバーだが、やはり注目は最強牝馬アーモンドアイ、底しれぬ3歳馬サートゥルナーリア、復活を狙うダノンプレミアムあたりに視線は集中している印象だ。
ただ、この馬も決して無視できない存在だろう。昨年の大阪杯(G1)を圧勝したスワーヴリチャード(牡5 栗東・庄野靖志厩舎)である。
デビューから安定した成績を残し、3歳時に共同通信杯1着、日本ダービー2着、アルゼンチン共和国杯1着と、とりわけ東京競馬場の中長距離で高い実績を残してきた同馬。昨年は大阪杯制覇で右回りも克服していたため、天皇賞・秋で1番人気だったのも当然か。
しかし、その天皇賞はまさに「悪夢」だった。スタートでやや立ち遅れると、隣でヨレたマカヒキに接触。本来のスタイルではない後方からのレースとなり、直線でも鞍上M.デムーロ騎手は追うのもほどほどに失速。10着/12頭というまさかの結果に終わった。
これで歯車が狂ったか、続くジャパンCではアーモンドアイとキセキのレコード決着を遠くから眺めるだけの3着。年明けの中山記念では強豪メンバーとはいえ格下相手に4着と、明らかに下降線を描いた印象だった。
それでも、3月のドバイシーマクラシックでは3着、宝塚記念では6番人気まで支持が下がるも、ここも3着。特に宝塚記念は外からまくって粘り強い脚を見せ、同年大阪杯制覇のアルアインに先着。ちぐはぐな状況を越え、復調傾向と見てもいいかもしれない。
1週前追い切りでは「推進力が抜群」という評価もあり、久々実戦は問題なさそう。昨年のような展開にならなければ、中団やや前の「本来のポジション」で競馬ができるかもしれない。
そして、期待と不安が入り交じるのが、初めて手綱をとる横山典弘騎手だ。
「時にあっと驚く騎乗を見せる横山騎手ですが、ファンが心配しているのは『ポツン』ですね。時折まるでやる気がないかのごとく最後方で、そのまま見せ場なくゴールインすることもある横山騎手だけに『今回もやらないよな……』という意見は出ています。先週の菊花賞では16番人気のディバインフォースの後方一気で4着に食い込むなど、まだまだ手腕は健在だけに『期待する』という声ももちろん多いですが……。
『なんでデムーロじゃないのか』『四位洋文に戻せば?』なんて意見もありますが、ハマる競馬をすれば誰よりも怖いのが横山騎手。人気どころを出し抜いての激走に期待です」(競馬記者)
今週は「即位礼正殿の儀」が行われ、天皇陛下に注目が集まった。横山騎手と天皇陛下は誕生日が同じで、皇太子時代に東京競馬場でご覧になった2014年の日本ダービーでは、横山騎手のワンアンドオンリーが勝利している。そして今回は「天皇賞」。サイン的な追い風も十分だ。