JRA「来年、すごくいい馬になる」シルヴェリオ4馬身圧勝にO.マーフィー騎手も絶賛!「悲運」の名牝シルヴァースカヤ3度目の正直
9日、京都競馬場で行われた2歳未勝利戦(芝2000m)は、圧倒的1番人気のシルヴェリオ(牡2歳、栗東・池添学厩舎)が圧勝。デビューから3戦目で本来の力を発揮し、単勝1.9倍に応えた。
ここではモノが違った。13頭立てで行われたレース。デビューから2戦はスタートで後手を踏んでいたシルヴェリオだが、この日は鞍上のO.マーフィー騎手が「ゲートの中でもおとなしかった」と振り返った通りの好スタート。すんなり2番手に付けることができた。
1000m通過こそ62.1秒のスローペースだったが、逃げていたテゴナが脱落し、シルヴェリオが先頭に躍り出た残り800m地点からは11秒台のラップが続く、厳しい流れ。各馬が根を上げて脱落していく中、シルヴェリオだけが涼しい顔で後続を突き放した。
「レース後にマーフィー騎手が『このクラスでは力が一枚上』と話していた通り、ここでは力が違いましたね。勝ち時計の2:01.2も優秀ですし、上のクラスとなる次走でも人気を集めることは、ほぼ間違いないでしょう。
ディープインパクト産駒の兄たちとはタイプが違って、あまり切れる脚が使える印象はない馬。その分、ここ2戦はスタートが決まらずに苦戦していましたが、今回のようにスムーズな競馬ができれば、今後も面白い存在。
マーフィー騎手も『距離はもう少し延びてもいい』と言っていましたし、ハーツクライの産駒らしく、長いところでより良さが出そうな気がします」(競馬記者)
記者が「ただ、この血統はとにかく無事にクラシックを迎えることが第一」と話していた通り、シルヴェリオの母シルヴァースカヤの産駒は、高い素質がありながらもケガに泣いている一族だ。
デビュー戦こそ、後のG1馬アドマイヤリードに後れを取ったものの、その後2戦を圧勝。主戦の福永祐一騎手に「これまで乗った中で一番」とまで言わしめたシルバーステート。同じくデビュー戦で翌年のダービー馬ワグネリアンとハナ差の接戦を演じ、2戦目を4馬身差で勝ち上がったヘンリーバローズ。
2頭の兄はともに最有力候補に挙げられながら、故障に泣いて翌年のクラシックを棒に振った経緯がある。
「来年には、すごくいい馬になるだろう」
勝利騎手インタビューで、そう期待を膨らませたマーフィー騎手。果たしてシルヴァースカヤにとって“3度目の正直”となりそうなシルヴェリオは、大輪の花を咲かせることができるだろうか。無念を噛みしめた兄たちの思いを背負って、クラシックを見据える。