JRA武豊「さすがの復活」インティのトップレベルを再証明。「普通だったら勝てた」が……
1日、中京競馬場で行われたチャンピオンズC(G1)は、2番人気のクリソベリルが優勝。クビ差の2着にゴールドドリーム、武豊騎手が騎乗してレースをリードしたインティ(牡5歳、栗東・野中賢二厩舎)は3着に終わった。
管理する野中師が「ハナに行く」と宣言した通り、好スタートを決めて先頭に立ったインティ。1000m通過が60秒8という絶妙なラップを刻み、終始レースの主導権を握っていた。だが最後の直線に入ると、クリソベリルが抜け出しにかかり、ゴールドドリームもこれに呼応する形で進出。最後は3頭による激しい叩き合いとなったが、ここでインティは先頭を譲り、3着に終わっていた。
「インティはフェブラリーS(G1)勝利後、道中のマークが厳しくなり、他馬にせっつかれて自分のペースを見失うこともありました。前走のみやこS(G3)は川田将雅騎手とコンビを組んで出走するも、序盤からスマハマとリアンヴェリテのハナ争いに巻き込まれ、厳しい競馬。さらに4角で不利を受けたことも影響し、15着と大敗を喫していました。
気難しい一面も出てきたと言われていたので、今回も巻き返しは難しいかと思いきや、そこはさすが武豊騎手ですね。折り合いをきっちりとつけて終始ペースを支配。『ユタカマジック』といわれる絶妙なペース配分が、未だ健在であるところを見せてくれました。
勝利こそなりませんでしたが、武豊騎手もレース後に『良い形でレースができました』と語っていたように、次に繋がる1戦だったと思います。今回は『後ろも強い馬ですから、すぐに詰められてしまいました』と勝ち馬を讃えていましたが、来年はリベンジをしてくれるはずです」(競馬誌ライター)
また野中調教師も「普通だったら勝てるくらいですが、かなりレベルが高い」とレースを振り返った。そしてハミを噛んでいたため、「そこが抜けるようになると良いですね。脚は使っていますが、その分が出ました」と敗因を語っている。まだ成長の余地は残されていると見ていいだろう。
フェブラリーSでG1初出走にして優勝を果たすも、G3のみやこSではまさかの殿負けを喫するなど、乱高下が激しい1年を過ごしたインティ。来年こそ武豊騎手とのコンビで逃げ馬として安定した成績を残してくれるはずだ。
クリソベリル、ゴールドドリーム、オメガパフューム、チュウワウィザード、そしてこのインティ。実力伯仲のメンバーが揃い、ダート界の覇権争いは加熱する一方だ。これからも熱い戦いを期待したい。