JRA四位洋文「調教師合格」武豊も祝福……「シイタケ馬券」やウオッカ伝説など功績多々
5日、JRAは令和2年度の新規調教師免許試験の合格者を発表した。今回合格したのは8名だが、その中に四位洋文騎手の名前があったため、例年以上に注目を集めることになった。
四位騎手はJRA通算1583勝。2007年にはウオッカで、64年ぶりとなる牝馬のダービー制覇を達成。さらに翌年にはディープスカイで、NHKマイルCとダービーの変則2冠を達成するなどG1競走15勝。かつては武豊騎手に次ぐ関西No.2として活躍し、武豊騎手とワン・ツーでゴールした際は、堅い馬券の象徴として「シイタケ馬券」などといわれていた時期もあった。
ただエージェント制度などの影響もあり、年を追うごとに成績は右肩下がり。昨年、蛯名正義騎手とともに調教師試験に挑戦していたことがわかり、話題となっていた。
「蛯名騎手は今年も不合格でしたが、四位騎手は見事に合格。今年は初挑戦だった昨年以上に乗鞍を抑えていましたからね。それだけこの試験に掛ける思いが強かったのでしょう。
ダービージョッキーの調教師転身といえば、メイショウサムソンとのコンビで知られる石橋守調教師、ジャングルポケットやヒシミラクルに騎乗して活躍した角田晃一調教師、さらに3冠馬ナリタブライアンやオグリキャップで知られる南井克巳調教師、そしてトウカイテイオーでダービーを制した安田隆行調教師などがあげられます。いずれも好調な成績を残していますが、とくに安田隆調教師はあの龍王ロードカナロア、ダートの雄トランセンドなどを管理し、転身後も活躍を続けています。四位騎手も続きたいところでしょう」(競馬誌ライター)
武豊騎手も、自身のHPで四位騎手の調教師試験合格のことに触れ、『熱心に勉強しているのは知っていましたし、心からおめでとうを言いたいですね』と綴り、『きっといい調教師になると思いますし、50代の騎手でも乗せてくれると期待しています』と“四位調教師”へ茶目っ気たっぷりに逆騎乗依頼を出していた。
「四位騎手は、同時に調教師試験を合格したメンバーの中では、ダントツの知名度や実績を誇っています。『馬主』とのパイプも維持しているでしょうし、武幸四郎調教師などと同じように開業するやいなや馬房が『満杯』になる可能性もあるでしょうね。唯一無二に近い存在であるウオッカとまではいかずとも、ファンの記憶に残る走りを見せる馬を育ててもらいたいですね」(競馬記者)
原則として令和2年1月1日から調教師免許が有効となる。だが、四位騎手は現役騎手ということもあり、本人申請の結果、3月1日からの免許となるようだ。四位調教師が厩舎を開業する日を待ちたい。