JRA有馬記念(G1)最終追い切り「モヤを切り裂く」アーモンドアイ圧巻! 予定通り「状態上昇」はアイツ
アエロリットは、坂路で53秒0-38秒7を、馬なりというより楽走に近い楽さでマーク。それでこの時計となり、ゆったり感たっぷり、余裕しゃくしゃくの動き、先週にはウッド5F64秒7-37秒5が出しているし、体調のよさは疑う余地がない。とりわけ強調されるのは、まったくイライラしたり、気負い込んだりすることがない気持ちの安定さ。自慢の先行→二の脚にさらに磨きがかかりそうだ。
坂路で併せ馬のアルアインは、54秒4-39秒7の遅い時計ながら併走1馬身先着、G前ひと追いされるとグイッとばかりに伸び1F12秒0の伸び、これまでにない”切れ”を見せた。ここ2戦の大敗には目をつぶれる状態を取り戻したようだ。
注目のアーモンドアイは濃いモヤの中での追い切りではあったが、まさにそれを切り裂くばかりの圧巻さ。2馬身ほど後方から追走し、4角で並走に。直線は追う相手を尻目に持ったままで差を広げだし、ゴールしたときには3馬身の先着、G前ほんの少しルメールの手が動いた程度である。濃霧だったため時計は正確には計測できなかったが、国枝師によれば、「5F67~68秒くらいだったかな、問題ないよ」。おそらくラスト1F11秒台と思われるこの伸びを見る限り、仕上げにはまったく心配がない。
ヴェロックスは、先週に3頭併せでウッド6F80秒5ー36秒9ー11秒8をいっぱいに追い切っている。このため今週は単走だったが、G前はきっちり気合いをつけて6F83秒0-37秒8-11秒8。反応のすばやさ、追われての伸びは先週以上の鋭さで、まさしくゴールまで一直線、真一文字、まぶしくらいに光り輝く馬体とともにデビュー以来の最高といっていい。
エタリオウはジャパンC後も元気いっぱい、今週もウッドの6Fから3頭併せでハードに追い切り、時計も6F82秒8-38秒0-12秒3なら合格点だが、問題は外2頭に追い比べで後れをとったこと。レース同様に決め手を欠く最終追い切りといわざるをえず、強調できない。
キセキは先週のステッキを入れた1週前追い切りの効果テキメン、今週はG前追われると待ってましたとばかりにストライドを伸ばし、ウッド5F66秒4-37秒9、ラスト1F11秒8の鋭さが出た。凱旋門賞大敗の反動はクリアできたのではないか。
坂路で単走のクロコスミアは、半ばでステッキを抜いただけの馬なり。54秒0-39秒1の時計も平凡なら動きにも鋭さが感じられず、エリザベス女王杯2着時ほどの活気がなかった。上積みより疲労残りが心配される。
先週、スミヨン自ら手綱をとって感触を確かめたサートゥルナーリア、15日の日曜日のも坂路で54秒5-38秒5をマークしている。今週はもはや強く追う必要なしとの判断からだろう、坂路で単走の馬なりに終始した。それでも52秒1-37秒3ー12秒1の時計になるあたりが能力である。残り100メートルあたりで右に行きたがるようなそぶりを見せたが、鞍上の助手に左手綱を引っ張られるとすぐに正面を向き、あとは一直線、気負い込むところもなかった。もはやレースを待つばかりの好仕上がりと言い切れる。