JRA福永祐一コントレイル「シバきまくってた」前走R.ムーア「ムチ連打」をチクリ……ホープフルS(G1)圧勝もクラシックへ残った課題

 28日、中山競馬場で行われたホープフルS(G1)は、1番人気コントレイル(牡2歳、栗東・矢作芳人厩舎)が圧勝。単勝2.0倍に応え、来年のクラシックの中心に躍り出た。

 先週、現役最強馬アーモンドアイ敗戦の衝撃に包まれた中山競馬場だが、今週も「衝撃」に包まれる結果となった。

「いやあ、強かったですね――」

 レース後、鞍上の福永祐一騎手も手放しで絶賛するほどの圧勝劇だった。13頭立ての芝2000mのレース。好スタートを決めたコントレイルだったが、前に行きたい馬を行かせる形で好位へ。ただ、馬は相当行きたがっていた。

 パンサラッサが逃げる形となり、前半の1000m通過は60.9秒。同じ頭数で行われた昨年が62.5秒であったことを鑑みれば、まずまず締まったペースだったといえる。3、4コーナーの中間からコントレイルが前を捉えに動いたことで、各馬が一斉に動き出した。

「非常に楽な手応えだったので、直線でどれだけ突き放すのかと思ったけど、先頭に立ってちょっと躊躇するところがありました」

 最後の直線は、まさにワンサイドだった。2番手まで進出したコントレイルが、逃げ粘りを図るパンサラッサをあっさり捉えて先頭に立つと、そのまま後続を突き放す。ヴェルトライゼンデやワーケアといった有力どころも懸命に追い掛けるが、福永騎手のムチが入ったのは抜け出してから気を抜かないようにする1発だけだった。

「1頭だけ力が違いましたね。道中はかなり前に行きたがり、福永騎手も折り合いに苦労するなど、まだまだ幼い面がありますが、あれだけ弾けるのは驚きました。前走の東京スポーツ杯2歳(G3)のレコード圧勝は、“本物”だったということでしょう。

 これで来年のクラシックの主役はコントレイルに決まりました。朝日杯フューチュリティS(G1)を勝ったサリオスとの激突が楽しみですね」(競馬記者)

 同世代では一歩抜けた存在になったコントレイル。ただ、記者の話にもあった通り、気性面で小さくはない課題を抱えているようだ。陣営も「短距離志向が強い」と、決して距離に自信を持っているわけではなさそうだ。

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