【JRA3歳牡馬クラシック展望】コントレイルVSサリオス!? 武豊マイラプソディら個性豊かな世代の激突に期待大
先週末から2020年の競馬が始まった。これからは、クラシックを見据える若駒たちが次々に栄冠を目指し、それぞれ思い思いのローテーションを組み、始動する。
今年の3歳牡馬の中心的存在にいるのはコントレイル(栗東・矢作芳人厩舎)だろう。
デビュー戦、東京スポーツ杯2歳S(G3)、ホープフルS(G1)と無傷の3連勝を記録。この功績が評価され、『最優秀2歳牡馬』にも選出された。
陣営は今度、前哨戦を挟まずに皐月賞(G1)へ向かうことを明言。昨年はサートゥルナーリアがこのローテをたどって皐月賞馬に輝き、創設後初、年明け初戦でクラシック第1弾を制した馬となった。
このトライアルを挟まぬローテーションは、戦前盛んに不安視されていた。それを跳ね除けたのは、充実した施設を持つノーザンファームの外厩の影響も大きかったと伝えられている。ところが、ノースヒルズで生産されたコントレイルは、ノーザンファームの外厩ではなく、大山ヒルズに放牧に出されている。この違いが結果に影響を及ぼさなければいいのだが……。
一方、その対抗として名が上がるのが、サリオス(美浦・堀宣行厩舎)だ。
2戦目のサウジアラビアRC(G3)で2歳コースレコードを0秒3更新しての快勝。17年ダノンプレミアム、18年グランアレグリアと、2年連続で後のG1馬を輩出したレースで、圧巻のパフォーマンスを見せたため、サリオスもクラシック候補として目された。
そして朝日フューチュリティS(G1)へ向かう。世界トップクラスの実績を持つR.ムーア騎手を背に3番手で運ばれると、最後の直線で抜け出して優勝。1分33秒0のレースレコードを叩き出し、2歳王者に輝いている。
現在、サリオスはノーザンファームしがらきに放牧に出されており、次走は未定。だがこれまでマイルを中心に走っており、皐月賞へ向かうのならば400mの距離延長の克服が必須となる。その後は、日本ダービー(G1)ではなく、NHKマイル(G1)へ向かうプランも視野に入っているだろう。
また皐月賞と相性がいいといわれる共同通信杯(G3)組も侮れない。今のところ、札幌2歳S(G3)で2着に入ったゴールドシップ産駒のサトノゴールド、3連勝で京都2歳S(G3)を制したマイラプソディ、東スポ杯で2着だったアルジャンナらが出走を検討しているようだ。
そしてトライアルにして、今年から名称を「報知杯弥生賞ディープインパクト記念」変更したここには、2連勝中のサトノフラッグ、ホープフルSで3着だったワーケア、9着のブラックホールらが出走を視野に入れているという。
そしてこれらのほかにも、これから台頭してくる若駒もいるはずだ。これからさらに加熱するクラシック戦線。今年は、栄冠に輝くのはどの馬なのだろうか。熱いレースを見せてもらいたい。