JRAブラストワンピース「札幌記念」から+24kg!? AJCC(G2)最有力も「凱旋門賞ショック」大きく 、陣営「まだモタモタ……」
一昨年のグランプリホース・ブラストワンピース(牡5歳、美浦・大竹正博厩舎)が、26日に中山競馬場で開催されるAJCC(G2)で国内復帰戦を迎える。
2018年の有馬記念(G1)でG1初制覇を飾り、最優秀賞3歳牡馬にも選出されたブラストワンピース。しかし、さらなる飛躍が期待された昨年は無冠……秋の凱旋門賞(仏G1)では大敗を喫し、今回が復帰戦となる。
近年、有力馬が「凱旋門賞の出走後」に調子を落とすケースが、目立っている点を懸念する声がある。
だが、同時に遠征したフィエールマンとキセキが、昨年末の有馬記念(G1)で4着と5着に好走している。フィエールマンと同じノーザンファーム生産馬……つまりは立て直しにノーザンファームの外厩を利用できるブラストワンピースも“凱旋門賞ショック”を乗り越える可能性もあるはずだ。
ただ、いくら優れたノーザンファームの外厩施設によって凱旋門賞のダメージのケアができているとはいえ、ブラストワンピース自身が抱える「問題」が解決されたわけではないようだ。
「まだもたもたしている……これで変わってくれないと」
そう不安そうなコメントを残したのは、本馬を管理する大竹正博調教師だ。もともと530kを超える大型馬で、馬体重の変動が激しいブラストワンピース。凱旋門賞のダメージを癒すために休養を取ったはいいが、例に倣って馬体重が大幅に増えてしまったようだ。
「どうやら1週前追い切りの段階で560kgまで増えているとか。凱旋門賞ではレースのダメージよりも精神面のショックが深刻で、逆に食欲が落ちて馬体が減っていたようです。
そこから、わずか4か月ほどで、ここまで馬体が増えてしまうとは……陣営や牧場スタッフが気を付けている中、これだけジェットコースターのように馬体重が変動する馬も珍しいですよ」(別の記者)
ブラストワンピースが出走する際に「馬体重」が話題になるのは、もはや定番になりつつある。しかし、いざ蓋を開けてみると、大きく増えた(+10kg)一昨年の日本ダービー(G1)以降は530kg台で出走しており、陣営の技術の高さと苦心が窺える。
だが、今回は十分な調整期間があったにも関わらず、1週前で約560kg。昨年唯一の勝利を上げた札幌記念(G2)から、+24kgではさすがに本領発揮は難しいか。
もっともブラストワンピースの目標は、春のG1戦線だ。今回は無事にレースを使うことにも大きな意味がある以上、当日のコンディションには注意を払いたい。