川崎記念(G1)JRAチュウワウィザード「6馬身差圧勝」乗り替わり効果抜群
3着にデルマルーヴル(牡4、美浦・戸田博文厩舎)が入り、2番人気ケイティブレイブ(牡7、栗東・杉山晴紀厩舎)は6着に終わった。
チャンピオンズC(G1)では4着に敗れたが、上り調子の5歳馬がここでは役者の違いを見せつけた。
この日の川崎競馬は、前日の雨の影響でダートは不良のコンディション。1Rから好位で競馬した馬が、前残りで穴をあける傾向が目立っていた。
チュウワウィザードは大外となる12番から抜群のスタート。ハナを主張した1番ケイティブレイブが先頭に立ち、これについていったミューチャリーが2番手、チュウワウィザードは2頭をいったん先に行かせて好位の外目3番手をキープ。その後を3番アナザートゥルース、4番デルマルーヴル、2番ミツバが追走。
直線を待たずに3コーナー過ぎから早々と手応えが怪しくなったケイティブレイブ、ミツバに対し、外からデルマルーヴルが早めに勝負に出る。しかし、絶好の手応えで追走していたチュウワウィザードが川田騎手の仕掛けにすぐさま反応、前を行く馬たちに一気に襲い掛かった。
ケイティブレイブを競り落として懸命に粘りこみを図るミューチャリーを尻目に、直線入り口では早くも先頭に立ち、後は突き放す一方。そのまま楽な手応えでゴールを駆け抜けた。
また、川田騎手の冷静な判断も光った。前走のチャンピオンズC(G1)では、自身は2番人気クリソベリルで優勝。同レースでチュウワウィザードは前が壁となり4着に終わったが、JBCクラシック(G1)で同馬に騎乗していた川田騎手もその力はわかっていたことだろう。アクシデントさえなければ負けないとばかりに、いつでも抜け出せるよう細心の注意を払った騎乗がうかがえた。
レース後のコメントでも「いい隊列でリズム良く走れていた。1頭になってからは遊ぶ面をケアしながら。精神的に幼い面を出してしまった。もう少しだけ大人になれば」と振り返った。
今回のワンサイドゲームで、次走はどのレースを使ってくるのか注目されたが、管理する大久保龍志調教師は「選出されればドバイに行く」と明言。フェブラリーSの見送りは既定路線で、今年3月のドバイワールドC参戦の可能性も出てきた。
チュウワウィザードは父キングカメハメハ×母チュウワブロッサム、母父デュランダルという血統。川崎記念の勝利で昨年11月のJBCクラシックに続くG1・2勝目を飾った。通算成績は15戦9勝。