JRA【外国馬出走ゼロ問題】ジャパンC(G1)わずか「4年で3度目」の褒賞金増額……変わらぬ「お金を積めば、何とかなる」姿勢に落胆
JRA(日本中央競馬会)は1日、ジャパンC(G1)の褒賞金基準を一部変更したことを発表。本レースに出走した特定の外国調教馬に対して、ボーナスとなる褒賞金をさらに増額する。
昨年、1981年の創設から39回目にして、史上初の「外国馬の出走ゼロ」に終わったジャパンC。
日本競馬最大の国際競走として、その存在意義が大きく揺らいだ。この事実を受けて、JRAが動いたという形だ。
具体的には、凱旋門賞(仏G1)やキングジョージ6世&QES(英G1)など、JRAが指定した世界の主要レースにおける同年の勝ち馬がジャパンCを勝った場合、褒賞金が従来の200万米ドル(約2億2000万円)から、1.5倍の300万米ドル(約3億3000万円)に増額されることとなった。
これに伴い、2着も40万米ドル(約4400万円)から120万ドル(約1億3200万円)に、3着が25万米ドル(約2750万円)から75万米ドル(約8250万円)、4着以下に敗れた場合に支払われる褒賞金も10万米ドル(約1100万円)から20万米ドル(約2200万円)に増額された。
昨年、ジャパンCが史上初の外国馬出走なしに終わった事実について、JRAの横田貞夫国際担当理事は「今回の結果を十分に検証し、今後のジャパンCを盛り上げることができるよう努力してまいりたいと思います」とコメントを発表。
そして今年「同じ轍は踏まぬ」と、さっそく“動き”を見せた格好だが「甚だ疑問」という声が挙がっている。
「この決定に疑問を持っている人は私だけではないと思いますよ。というか昨年の外国馬ゼロ問題が、あれだけ大きくクローズアップされたにも関わらず、まだJRAが『お金を積めば、何とかなる』と考えていることに落胆を禁じ得ません。
というのもジャパンCの外国馬を対象とした褒賞金の上乗せは、今回が初めてじゃないんですよね。2016、17年に続いて、今回が3度目の増額。ただ、それがほとんど機能していないことは、昨年の外国馬出走ゼロで実質証明されたはずなのでは……。
わずか4年で3度の増額は涙ぐましい努力と言えば聞こえはいいですが、『馬鹿の1つ覚え』と捉えられても仕方ないと思います。仮に今年のジャパンCに外国馬が出走したとしても、今回の褒賞金増額がどれだけの影響を及ぼしたのかは甚だ疑問だと思います」(競馬記者)