JRA川田将雅 断然人気で「まさかの取りこぼし」一緒にアレも飛んでった!?
「今年こそルメールを倒してリーディング奪取」
そう公言してはばからない川田将雅騎手にとって思わぬ誤算だった。
15日、京都2R・3歳未勝利(ダート1800m)で、川田騎手は単勝1.9倍に支持されたヴァシリアス(牡3、栗東・安田翔伍厩舎)に騎乗。
好位から積極的な競馬で手応えよく直線を迎え、あとは内で粘る10番人気の穴馬シフクユウヒを交わすだけといった状況だった。
ところが、楽に交わせるはずのシフクユウヒにしぶとく粘られてなかなか交わせない。右に左にムチを持ち替えながら2発3発と懸命に追っているうちに、持っていたムチが後ろに飛んで行ってしまったのである。
ムチがなくなってからは追って追って何とかシフクユウヒは捕まえることが出来たものの、外から差して来たセルファースに交わされクビ差の2着に敗れてしまった。
「川田騎手も焦ったと思いますよ。ムチを落としていなくても勝ち馬の脚色と比較して勝っていたかどうかは微妙ですが、もし3着に負けていたら相当ヤジられていたかもしれませんね。」(競馬記者)
レース中に騎手がムチを落としてしまうことは珍しいことではない。過去にもC.ルメール騎手やM.デムーロ騎手なども「手ムチ」で追ったケースもある。
また、武豊騎手が98年の日本ダービー(G1)をスペシャルウィークで初優勝した際に、興奮のあまり、ゴール100m手前でガッツポーズをしようとしてムチを落としてしまったのはあまりに有名な話だろう。
とはいえ、リーディングジョッキーを狙う川田騎手にとっては、今年は勝負の年だ。
天下取りを目論んだ2020年だったが、O.マーフィー騎手がわずか11日間で驚異の27勝をあげ、年始の競馬を席巻した結果、2位に甘んじていた。日本人トップを自負しても次から次へと現れる外国人騎手が立ちはだかる。
だが、短期免許のマーフィー騎手が2日の騎乗を最後に帰国。次の来日は秋の天皇賞の週ではないかと言われている。川田騎手にとっては文字通り「目の上のこぶ」がいなくなった状態となり、現在は武豊騎手、ルメール騎手を押さえてリーディングに返り咲いたばかり。
それだけに辛うじて2着は確保できたものの、1倍台まで支持されていた馬で勝てなかったのは痛いだろう。ただでさえ、乗鞍を絞っているだけにこの1勝は計算していたに違いない。
G1シーズンが近づくと有力馬を多数抱えるルメール騎手の追い上げも激しくなることも予想されるだけに、勝てるレースをきっちりと勝ち切ってセーフティーリードを保っておきたいところだ。
悲願のリーディング奪取のためにも、うかうかしていられない。