JRA「フェブラリーSの法則」アルクトスで不安大!? 「4戦4勝」東京マイル挑戦も、過去にダート王アドマイヤドンら人気馬が餌食に……
23日(日)、東京競馬場で今年最初のG1、フェブラリーSが開催される。24頭がエントリーしているが、関西馬19頭に対し、関東馬は2頭だけと関東のファンには少しさみしいメンバー構成となっている(他に地方所属馬が3頭)。
関東馬2頭のうちの1頭がアルクトス(牡5歳、美浦・栗田徹厩舎)である。
前走は昨年10月の盛岡のマイルCS南部杯(G1)に出走。実力馬サンライズノヴァには1馬身半及ばなかったが、自身初の交流G1挑戦でゴールドドリーム(3着)に先着し、実力の一端を垣間見せた。
同馬にとってフェブラリーSが初のJRA・G1出走となるが、19日午後5時時点の『netkeiba.com』予想オッズでは9.5倍の4番人気と想定されている。JRAのG1未出走という実績を考えると、過大ともいえる評価だが、コース相性の良さが高評価の理由の一つに挙げられるだろう。
アルクトスはこれまで府中のダート1600mは4戦4勝と一度も負けていない。不良馬場で行われたデビュー2戦目の未勝利戦は、2着馬に1.0秒差をつける圧勝。古馬と初対戦となった3歳6月の500万下では2着に0.6秒差をつけた。さらに1600万下の錦秋Sを逃げ切り、リステッド競走のオアシスSは先行抜け出しで、いずれも強い勝ち方を見せた。
昨年7月には重賞2度目の挑戦でプロキオンS(G3)を制するなど、ダートの左回りコースで1600m以下に限定すると、「6-2-0-0」とパーフェクト連対を誇る。アルクトスにとって、フェブラリーSはこれ以上ない絶好の舞台といえるだろう。
そんなアルクトスだが、もちろん懸念材料もある。前走の南部杯から4か月以上の休み明けでレースを迎える点だ。
同馬はこれまで約3か月(中12週)以上の休み明けでは「3-1-0-0」という好成績を残している。唯一の敗戦も前走の南部杯2着なので、鉄砲はきくタイプといえるだろう。近年は長期休養明けでもあっさり重賞やG1を勝ってしまうシーンが目立ち、4か月程度の休養ならマイナス要素にならないというのが最近の競馬界の定石になりつつある。
しかしこのフェブラリーSには「休み明け=凡走」という、アルクトスにとっては耳が痛い法則が存在する。
フェブラリーSがG1に昇格したのは1997年。それ以降、のべ10頭が前走から約3か月(中12週)以上の間隔で出走しているが、「0-0-0-10」と一度も馬券に絡んでいない。
10頭の中には、1番人気カレンブラックヒル(2013年)、2番人気アドマイヤドン(2003年)、3番人気ベストウォーリア(2016年)など人気を集めた馬もいたが、馬券圏外に沈んでいる。2月という寒い時期、さらに年末年始を挟むという点で調整の難しさもあるのかもしれない。
アルクトスにとって東京マイルは、これ以上ない舞台設定だ。だが、果たして「休み明け=凡走」という「フェブラリーSの法則」を覆すことはできるのだろうか。