JRA歴代第2位へ!「ゴールドシップ世代」スズカルパン現在「99」に注目!? 祖父は「4」なのに……
今、スズカルパン(牡11歳、栗東・西橋豊治厩舎)が密かに注目を集めている。
先週15日、スズカルパンは京都競馬場で松籟S(3勝クラス)に出走し、12着に敗れた。しかし、これで通算出走回数を「99」とし、通算出走100回にリーチをかけた。
これまでのJRAのサラブレッド最多出走記録は、ハートランドヒリュの「127回」。100回となれば、それに次ぐ第2位の記録になる。
『スポニチ』の取材で、スズカルパンの次走は3月20日の尼崎S(3勝クラス)を予定していることがわかった。取材に対し「ハンデ戦を使いたかったのでこのレースに」と西橋調教師はコメントしている。
スズカルパンは2011年9月にデビューし、9戦目で初勝利を挙げた。その後、500万下で15戦し、通算24戦目にして2勝目を挙げた。その11か月後に、再度500万下の条件戦を勝利し、1000万下クラス入りする。これが36戦目でのことだった。
しかし、ここで壁にぶつかることになる。デビュー2戦目を除いて、ずっとダートを使ってきていたが、クラス昇級後はダートで自己ワーストの23連敗を喫する。ここで陣営は芝への転向に舵を切った。
この舵取りは功を奏し、芝転向4戦目にして久々の勝利を手にし、晴れて準オープン入りを飾った。このとき通算63戦目、7歳での出来事だった。
その後は惜しい2着はありながらも、勝つことができず今に至っている。勝利から約4年経過し、現在36連敗中だ。
ちなみにスズカルパンと同世代にはディープブリランテ、ゴールドシップ、ジャスタウェイ、ジェンティルドンナらG1ホースがいる。当然のことながら、すでに皆引退している。
また豪G1勝ち馬メールドグラース、重賞勝ち馬テイエムジンソク、トリオンフ、ステイインシアトルといった馬たちが、出世へのステップにゴール板を駆け抜ける様を、いつも後方から見守ってきた。
スズカルパンは父スズカマンボ、母ルンルンスズカ(母父ラムタラ)というスズカの冠名に縁のある血統。母父ラムタラは「4回」しか走っていないのに、孫は「99回」も走っているのは皮肉なものだ。
過去に、15歳でJRA最高齢出走記録を記録したミスタートウジンも99回の出走を記録している。しかし、100戦目を目前にして故障、引退と涙をのんだ。
「無事是名馬」という言葉があるように、次走も無事にゴールすることを願う。すでに、11歳の高齢かつ99回出走しているスズカルパンは紛れもない「名馬」だ。