JRAチューリップ賞(G2)レシステンシア「最優秀2歳牝馬」桜の主役譲れない! 北村友一「騎乗停止」でも乗れた理由……
勝利に最も近い位置にいるのは、昨年の「最優秀2歳牝馬」に選ばれたレシステンシア(牝3、栗東・松下武士厩舎)だろう。
阪神JF(G1)はレシステンシア劇場の幕開けとなった。リアアメリア、ウーマンズハート、クラヴァシュドールが上位人気を形成し、レース前の下馬評は三強対決。レシステンシアは3頭から大きく離された4番人気に甘んじた。
だが、好スタートからハナに立つと、伝説の快速馬サイレンススズカを彷彿させるようなハイペースの独り旅。終わってみれば2着マルターズディオサに5馬身差をつける「圧逃」だった。
また、阪神JFの勝ち時計1分32秒7は2006年にウオッカがマークした1分33秒1を0秒4短縮するレコード。翌週の朝日杯FS(G1)を圧勝したサリオスの1分33秒0も上回った。
そんな最強2歳女王陣営にとって、先日の主戦・北村友一騎手の騎乗停止処分は、ヒヤッとさせられたに違いない。昨年までのルールならば、翌節から乗れなくなるところだったが、今年からルール改正により騎乗停止処分の開始期間が1週繰り下げられたばかり。
そのため、北村友騎手の騎乗停止期間は14日から28日までとなり、昨年までのルールでは乗ることができなかった7日(土)のチューリップ賞で騎乗可能となった。レシステンシア陣営にとってこれは「不幸中の幸い」といえる。
だが、主戦のトラブルをよそに馬の方は順調に仕上がっている。先週の計量で500キロに増えた馬体は、デビュー時の490キロからよりグラマラスになった。担当する金浜厩務員は「でかくなった。上に伸びた感じ。腹がぽってりしてるわけではない」と上々の手応えだ。
4日の追い切りでは栗東・坂路を単走で追われ、最後に軽く気合をつけた程度で52秒0-11秒8をマーク。「しっかりと動けていました。ここまで予定通り、メニューをこなせたというのが何よりですね」と松下調教師は目を細める。無傷の4連勝へ向け、「圧逃」の準備は整った。