JRA福永祐一痛恨「もう少しスムーズに捌けていれば」金鯱賞(G2)ギベオンの前が壁に……思い出されるあのレース
楽な手応えで抜け出した勝ち馬の強さばかりが際立つ一方、その後ろでは熾烈な2着争いが繰り広げられていた。ひとつでも上の着順を狙う騎手にとっては、わずかなミスが命取りとなることは珍しくはない。それだけに直線での進路取りや仕掛けるタイミングは最も技術が要求されるといえるだろう。
そんな状況下、直線勝負どころでギベオンの前が塞がってしまい、進路をうまく捌けなかった結果、4着に終わってしまった。
「4コーナーまでは理想的でしたが、そこから先が、もう少しスムーズに捌けていれば、もっと良かったのですが……」
ギベオンに騎乗していた福永祐一騎手は、レース後に痛恨のミスを悔やむコメントを残した。
「あれは勿体なかったですね。2番手のマイネルファンロンがバテて下がってきたときに、ギベオンは内に張り付いていたため、外から蓋をされる格好になりましたから。ただ、バテた馬を捌いた後の進路取りがよくなかったかもしれません。
待っていればダイワキャグニーとサトノソルタスの間を突けるスペースはありました。4着に敗れたのは抜群の手応えのまま、追い出すことも出来ず、外に出す大きなロスが致命傷になったといえるかもしれません」(競馬記者)
ネット上では「またやってしまった」、「完全に詰まってた」、「もはや名人芸」など、ギベオンの馬券を購入していたと思われるファンから辛辣な声もチラホラあったようだ。
福永騎手といえば、昨年のチャンピオンズC(G1)で騎乗したチュウワウィザードでも、勝負どころで進路を失った結果、4着に敗れた際もファンが悲鳴をあげていたことが思い出される。また、さらに遡ると1番人気ビッグアーサーに騎乗した2016年のスプリンターズS(G1)でも内を追走して前が塞がって12着に惨敗している。
このときにアナウンサーが思わず「ビッグアーサー前が壁」と実況したこともファンには有名な語り草となっている。
騎手という職業は、常に命懸けでレースに臨むだけに、攻めの騎乗と危険騎乗は紙一重でもある。ただでさえ、父の福永洋一氏が落馬負傷している福永騎手にはより慎重になってしまうこともあるのかもしれない。
とはいえ、「馬券の圏内」となる3着以内と「ハズレ」となる4着の違いは競馬ファンにとっては天と地の差があるのも確か……。
福永騎手には昨年の春秋マイル王のインディチャンプをはじめ、クラシックでは牡馬にコントレイル、牝馬にミヤマザクラと有力馬がお手馬にいる。それだけに活躍の期待も大きくなる。これからはじまる春のG1戦線では、さらなる奮起を期待したい。