JRA「初短距離」ソウルスターリング高松宮記念(G1)出走か!? 二転三転のオークス馬に「3つ」の選択肢
29日に開催される高松宮記念(G1)にソウルスターリング(牝6歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が特別登録していることが明らかになった。
社台レースホース所属馬は6歳の3月が現役生活の期限と定められており、1日の中山記念(G2)がラストランと思われていた。同レースはダノンキングリー、ラッキーライラック、インディチャンプ、ウインブライトの4強対決の様相。だが、そのハイレベルなレースで、ソウルスターリングは4強に割って入る3着の健闘をみせた。
近走は不甲斐ないレースが続いていたが、中山記念の結果で「まだまだ走れるのでは」ともう1走の声が挙がり始めたというわけだ。
早速、先週行われた中山牝馬S(G3)、金鯱賞(G2)にダブル登録。しかし、レース間隔が詰まることを理由に回避となった。そして、今回の高松宮記念登録となっており、G1・2勝の名牝の動向に注目が集まっている。
その高松宮記念の出走馬決定順で、ソウルスターリングは19番目。本来であれば除外対象だが、上位のモズアスコット、ミスターメロディが海外遠征予定(※16日、モズアスコットが海外遠征を取りやめた)のため、2頭は回避濃厚だ。そうなると高松宮記念は出走できることになる。
「今週の重賞には登録しておらず、引退期限までに出走できる重賞は、日経賞(G2)と高松宮記念のみ。日経賞は2500mの距離に対して、高松宮記念は1200mと両極端なレースです。どちらもソウルスターリングにとっては適性距離とは言い難いでしょう。
今年の高松宮記念はスプリント界のトップホース・タワーオブロンドン、ダノンスマッシュに加え、短距離初挑戦のG1馬グランアレグリア、ノームコアと好メンバーが出走を予定しています。それに対し、日経賞は出走メンバーの層は薄くなりそうです。このあたりが判断材料になるのではないでしょうか」(競馬記者)
ソウルスターリングの父Frankelは現役時代1400m~2000mのレースに出走している。また同産駒の日本での活躍距離はマイルが中心で、短距離はマイルと比較すると勝率が劣る。長距離は2400m以上のレースに産駒の出走はほとんどなく、適性がないと思われる。ソウルスターリングはオークス(G1)を勝利しているが、3歳牝馬同士のレースのため、適性より地力の高さで勝利した感は否めない。
このような父の成績、産駒の傾向から短距離のほうが“やや”向いているのかもしれない。
「明らかにレース選択としては、ベストとは言えない状況です。このまま引退という選択肢もありますが、ファンが多い馬だけにあと1走を熱望する声は多いです。
メンバー構成で決めるのか、距離で決めるのか、陣営の判断が見ものですね。個人的には、引退はG1レースで飾ってほしいですね」(別の記者)
「長距離重賞」か「短距離G1」か「引退」か、はたまた第4の選択肢が出てくるか。残り2週間を切った現役生活の締めくくりに注目が集まる。