JRA豪州遠征ダノンプレミアム「行方」は……モズアスコットら新型コロナウイルス影響で遠征断念も、すでに渡豪
オーストラリアのランドウィック競馬場で開催されるドンカスターマイル(G1)。今年は日本から芝・ダート両GI制覇したモズアスコット(牡6歳、栗東・矢作芳人厩舎)、重賞での好走が光るマイスタイル(牡6歳、栗東・昆貢厩舎)らが出走を予定していた。
2頭の上位進出も期待されていたが、16日、陣営は出走回避を表明。これは新型コロナウイルス感染拡大に伴い、現地での検疫面の問題を考慮したためだという。
モズアスコットを管理する矢作調教師は「向こうに行ってもしっかり調教できない可能性がある」といい、さらに中止になる可能性も視野に入れ、「オーナーと相談したうえで決断しました」と明かす。今後、同馬は登録済みの高松宮記念(G1)を目標に調整が進められるが、もし間に合わない場合は予備登録を行った香港のチャンピオンズマイル(G1)を目指すという。
「モズアスコットとマイスタイルは海外挑戦を断念。ですがドンカスターマイルの翌週に開催予定のクイーンエリザベスS(豪G1)へ出走を予定しているダノンプレミアムは、本日、現地に飛び立ったといいます。今の段階では参加、不参加の判断を下すのは本当に難しく、一概にどちらがいいとは言えない状況です。コロナ騒動の早い終息を祈るしかありません」(競馬誌ライター)
コロナ感染拡大を防止する目的もあり、JRA、地方競馬でも無観客開催が続いている。今月末にUAE・ドバイで開催予定のドバイワールドカップデーも、スポーツ省が新型コロナウイルス感染拡大防止のため、イベントの延期、中止を要請したと発表されていた。結局、レースは行われるものの、無観客での開催。さらに25日の公開枠順抽選会、翌日の朝食会やレセプションパーティー、そしてレース当日のイベントは中止となるそうだ。
またモズアスコットが出走を視野に入れているチャンピオンズマイルも危うい。同レースやクイーンエリザベス2世C(G1)が行われる「香港チャンピオンズデー」は4月開催予定。だが外務省によれば、現段階で香港では、“3月14日0時(現地時間)から、過去14日間以内に北海道に滞在した全ての入境者に対し、自宅又はホテル等で14日間の検疫を実施”すると発表している。今は北海道に滞在した者に限られているが、「香港チャンピオンズデー」までにその範囲が広がり、もっと厳重な対応が取られる可能性も否めない。
拡大の一途をたどるコロナ騒動。みなが心から競馬を楽しめる日はいつ訪れるのだろうか?