JRAワーケア、オーソリティまさかの皐月賞(G1)「回避」。最大目標は日本ダービーも「不安」だらけ……
クラシック初戦の皐月賞(G1)に衝撃的な展開だ。
弥生賞(G2)で2着のワーケア(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)、3着のオーソリティ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)がともに、優先出走権を持ちながらも皐月賞(G1)を回避することが明らかになった。
今後、ワーケアは日本ダービー(G1)を大目標に調整される。皐月賞の回避は、左回りのほうが合っていることが理由。前哨戦を使うか日本ダービー直行するかは未定となっている。またオーソリティは皐月賞を回避して、次走に青葉賞(G2)を予定しており、こちらも日本ダービーが最大目標だろう。
今年の皐月賞は2歳G1を制したコントレイルとサリオスが中心視されているが、どちらも3歳初戦で本番に挑む。2頭とも世代トップホースに違いないが、ステップレースを使っていないだけに、同世代との力関係の変化が測れていない点が心配されている。
「ワーケア、オーソリティはいずれもホープフルS(G1)、弥生賞(G2)というローテーションで来ています。どちらも中山2000mで、皐月賞を意識したレース選択に思えます。ワーケアは3着→2着、オーソリティは5着→3着と堅実な走りをしています。
紛れのある中山コースでは展開のあやで、逆転する可能性は大いにあります。一昨年はスプリングS(G2)2着から挑んだ7番人気のエポカドーロが制したように何が起こるかわからないレースです。それだけに弥生賞2、3着馬の回避は残念ですね」(競馬記者)
たしかに過去10年の皐月賞の結果は、1番人気が3勝、2番人気が1勝と、堅いレースとは言い難い結果になっている。2歳G1を制した2頭が直行のため、何が起こってもおかしくない。
「皐月賞はコントレイル、サリオス、サトノフラッグの『3強』と見られています。ワーケアとオーソリティは、すでに同条件のレースでコントレイルとサトノフラッグに連敗しています。それだけに勝機がないと考えての回避かもしれません。
しかし、再戦の舞台を日本ダービーと考えるのもいかがなものかと思います。トリッキーな中山コースよりも、直線の長い東京コースのほうが実力通りの決着になりますからね。コントレイルは東スポ杯2歳S(G3)、サリオスはサウジアラビアRC(G3)で東京コースの実績があります。それを考えるとより厳しい勝負になりそうです」(別の記者)
今回の2頭が回避することで皐月賞の出走枠が空くことは事実。これにより出走できる馬にとっては、これ以上ないチャンスだろう。繰り上げ当選の2頭が結果にどう影響するか本番が楽しみである。
そしてワーケアとオーソリティには「府中」で借りを返すことに期待したい。