JRA「伝説」ナリタブライアンVSマヤノトップガンのマッチレース! 長距離名手の武豊が3冠馬の意地を引き出した96年阪神大賞典(G2)
両馬ともきれいなスタートを切り、ナリタブライアンは4番手を行くマヤノトップガンをマークする格好で1周目を通過。2周目3角から先頭に取り付いたマヤノトップガンを追うようにナリタブライアンも上がっていく。4角通過でこの2頭が並び、そのまま直線へ入る。
直線では、完全に2頭のマッチレースとなった。両者譲らず、壮絶な叩き合いとなったが、残り1ハロンでわずかにマヤノトップガンの脚色が鈍り、ゴールではアタマ差だけナリタブライアンが先着。3冠馬の意地を見せつけた。
3着との着差は9馬身。両馬のマッチレースにファンは酔いしれた。
この後、ナリタブライアンもマヤノトップガンも天皇賞・春へ駒を進める。ナリタブライアンにとっては悲願の盾獲り。鞍上は再び主戦の南井騎手に戻り、圧倒的な1番人気を背負って臨んだが、3番人気だったサクラローレルの強襲に屈し2着に終わる。マヤノトップガンは先行策が裏目に出て5着だった。
ナリタブライアンはこの後、宝塚記念(G1)へ向かう予定だったが、間に1戦使いたいということで、スプリントG1である高松宮杯(現、高松宮記念・G1)に出走。クラシック3冠馬がスプリント戦に出走することが異例中の異例で、賛否がわかれたが結果は4着。さらに屈腱炎を発症して、このレースを最後にターフを去った。
マヤノトップガンはナリタブライアンが目指していた宝塚記念を制し、翌年天皇賞・春を制して引退している。
96年の阪神大賞典は現役最強を賭けた壮絶なマッチレースとして、今でも語り継がれている名勝負のひとつとなった。