JRAスプリングS(G2)「25年ぶり」ハプニングも、大本命ヴェルトライゼンデにアタマなし?

 22日(日)の中山では皐月賞トライアルのスプリングS(G2)が開催される。フルゲート16頭に対し、出走は10頭。3着までに皐月賞への優先出走権が与えられるこのレースが10頭以下で行われるのは、後の三冠馬ナリタブライアンが優勝した1994年以来、実に25年ぶりである。

 今年は重賞勝ち馬不在のなか、実績面で頭一つ抜けているのがヴェルトライゼンデ(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)だ。

 同馬は昨年暮れのホープフルS(G1)で、クラシックの主役候補である、コントレイルの2着に入り、その実力の一端を示した。

 デビューから騎手が固定されず、今回は4戦目にして4人目となる池添謙一騎手が手綱を取る。池添騎手はヴェルトライゼンデの父ドリームジャーニーとコンビを組み、2009年にグランプリ連覇を達成した。11年の時を経て、今度はその息子とタッグを組む。

 そのヴェルトライゼンデは、デビューから小倉、京都、中山と全て違うコースで3戦とも上がり3F最速タイムをマーク。その末脚は世代でも屈指の切れ味と評判だ。唯一ヴェルトライゼンデに黒星をつけたコントレイルは皐月賞に直行予定。ヴェルトライゼンデが“本番”でリベンジを果たすためにも、前哨戦のここは「通過点」と考えるファンも多いだろう。

 18日には栗東坂路で追い切られ、馬なりで52秒6-12秒0の好時計をマーク。状態面も万全とあれば死角はないだろう。

 しかし過去10年のスプリングSの傾向を見ると、ヴェルトライゼンデにとって気掛かりなデータが幾つか浮かび上がってきた。

 前走ホープフルSで2着に入ったヴェルトライゼンデ。過去10年で「前走2着」からスプリングSに出走した馬の成績は「1-1-5-13」。3着は多いが、20戦1勝(勝率5.0%)と勝ち切れていない。過去10年で唯一、勝ったのは2018年のステルヴィオで、朝日杯FS(G1)2着からの参戦だった。

 次にキャリア3戦で出走してきた馬もスプリングSではなかなか勝ち切れていない。過去10年の成績は「1-4-4-21」で、2~3着は多いが、2010年のアリゼオを最後に勝ち馬は現れていない。

 最後は1番人気に支持された馬の「苦戦」だ。1番人気馬の過去10年成績は「3-4-2-1」と一見すると悪くない。しかし、1番人気馬の単勝オッズに注目すると、3倍未満という圧倒的支持を集めた場合は「1-3-2-0」。6頭中1頭しか勝利していない。唯一の勝ち馬は単勝2.3倍だった2018年のステルヴィオだった。

 19日時点でヴェルトライゼンデは『netkeiba.com』の予想単勝オッズで1.7倍という高い評価を受けている。実績・人気は断然でもデータ上は2~3着に終わる可能性もありそうだ。

 果たしてヴェルトライゼンデはこれらのデータを払拭することはできるだろうか。

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