JRAトレセン「馬主立ち入り禁止」に! 通常開催再開の見通しはいかに……
22日にさいたまスーパーアリーナで6500人集客した格闘技イベントを開催したことが波紋を呼んでいる。
政府は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、依然として大規模イベントの自粛要請を継続中。その状況下での強行開催だったため、予防対策を講じているとはいえ非難の声が挙がっている。
中央競馬でも2月29日から無観客での開催が始まり、約1カ月が経とうとしている。そんな中、JRAに新たな動きがあった。
「美浦と栗東の両トレセンへの立入禁止」だ。西山茂行オーナーが自身のブログで明らかにしている。
ブログには通達文書の写真も掲載されており、内容を見ると「今後の競馬開催継続の観点」を理由に、「25日から馬主のトレーニング・センターへの入場を制限する」と記載されている。調教師や騎手へはすべて電話連絡のみになっているようだ。
馬主は競馬関係者でありながら、一般人でもある。そのため、新型コロナウイルスの感染拡大防止という点では、リスクとして捉えられるのは当然だろう。
世界を見渡せば、イギリス、フランスなどのヨーロッパでは競馬の開催自体が中止になっている。また22日にはドバイワールドカップデーの中止も発表されたばかり。無観客ながらも競馬開催を行っている日本は珍しい国のため、開催されていることに感謝しなければならないのかもしれない。
「もし、関係者の中から新型コロナウイルスの陽性反応が出てしまえば、開催中止は免れません。そのためJRAもできる限りの対策を講じています。
とはいえ、競走馬を所有するオーナーに対して制限をかけることは容易なことではありません。愛馬のいるトレセンの入場規制ですからね。このリスクを最小限に抑えるための決定から、JRAの競馬開催を継続させるための並々ならぬ熱意が感じられますね」(競馬記者)
今回の通達内容を見る限り、通常開催の見通しが近づくのではなく、むしろより状況が厳しくなっているとも感じられる。
無観客競馬に騎手をはじめとした関係者からは観客がいないのは寂しいと声が挙がっており、ファンもまた競馬場に足を運べないことを残念に思っている。通常開催を待ち望んでいるのは皆同じだ。
開催中止にならず通常開催が再開して、ファンで埋め尽くされたスタンドの前をサラブレッドが駆け抜ける日を楽しみに待ちたい。