JRAモズスーパーフレア高松宮記念(G1)優勝で俄然注目の米国種牡馬Speightstown。実はサウジダービーC武豊フルフラットも
29日、史上初の無観客G1開催となった春のスプリント王決定戦・高松宮記念(G1)が、中京競馬場で行われた。9番人気で逃げ粘ったモズスーパーフレアが2位入線も、1位入線の15番人気クリノガウディーが進路妨害で4着に降着。繰り上がりで優勝。モズスーパーフレア、松若風馬騎手ともにこれがG1初制覇となった。
オーナーの北側雅司代表は、レースを自宅でテレビ観戦していたという。フェブラリーS(G1)のモズアスコットに続いて連勝でのG1優勝を飾った。
「感動したね。繰り上がりは複雑だけど頑張ってくれた。人気はなかったけど、うまく逃げ切ってくれました。松若君も音無厩舎も頑張ってくれた」と愛馬の健闘を称えるとともに関係者に感謝した。
ここで注目したいのはモズスーパーフレアの父Speightstownである。
生涯成績は16戦10勝。6歳のときに米ブリーダーズCスプリント(G1)を勝った晩成タイプ。産駒は北米のダート短距離を中心に活躍しているが、シークアゲインやロードシャナキルのように芝のG1馬も出している。
日本での活躍馬は16年の全日本2歳優駿指定(G1)を制し、17年のNHKマイルC(G1)で2着に入ったリエノテソーロ、18年プロキオンS(G3)を勝ったマテラスカイ、11年クラスターC(G3)勝ちのドスライスがいる。また、今年のサンバサウジダービーCを優勝したフルフラットもSpeightstownの産駒だ。
産駒は1200-1400mの距離を中心に勝利、芝ダートを問わず勝利をあげているのは大きな特徴である。2017年から20年3月29日現在の勝率でも芝で【11.6.5.40/62】の勝率17.7%、ダートで【15.17.7.51/90】の勝率16.7%と遜色ない。
モズスーパーフレアは5歳にして芝1200mのG1を制覇したように成長力もあった。これは晩成型だった父の血の影響も背景にあったのではないか。また、フルフラットが3歳でダート1600mのサウジダービーCを制したように、早い時期から活躍を見せる馬もいる。有り余るスピード武器にマテラスカイはプロキオンSを逃げて圧勝した。
Speightstown産駒は全体的にスピードで押し切るタイプの馬が多いため、ともすれば1本調子になりやすいという側面もある。その一方で、持ち味であるスピードは特筆すべき大きな武器だろう。
これからも短距離戦に出走する際は、芝ダート関係なく狙ってみるだけの妙味があるといえそうだ。