JRA 「世界の受け皿」に!? ゴドルフィンの専属調教師「外国馬10頭登録」に見える、新型コロナウイルス対応と世界の動向
4月2日、JRAはNHKマイルカップ(G1)、ヴィクトリアマイル(G1)ら計7レースに10頭の外国調教馬の予備登録があったと発表した。登録したのはドバイとイギリスに厩舎を持ち、馬主・ゴドルフィンの専属調教師として知られるC.アップルビー師が管理する馬だ。
NHKマイルCに19年のZukunftsrennen(独G3)で2着に入ったウェルオブウィズダム(牡3歳・英)、ヴィクトリアマイルにはバランシーン(G2・UAE)などを勝利したマジックリリー(牝5歳・英)がエントリー。
また京王杯スプリングカップ(G2)にはジャンプラ賞(G1・仏)で2着のスペースブルースら3頭に加え、新潟大賞典(G3)にはジェベルハッタ(G1・UAE)3着のスポティファイが登録された。そしてリステッド競走のメトロポリタンステークス(L)、谷川岳ステークス(L)、都大路ステークス(L)にもアップルビー師の管理馬が予備登録されている。
「どうやらこのうちの半数は、新型コロナウイルスの影響で中止になった『ドバイワールドカップデー』へ出走を予定していたみたいですね。ドバイをはじめ、海外では開催が次々に中止されています。
そのため、まだ競馬が開催されている日本に目をつけたのではないでしょうか。アップルビー師の管理馬が来日して結果を残すことができれば、同様の手段を検討する海外の厩舎も出てくるかもしれません」(競馬誌ライター)
競馬の開催が継続している日本は、出走したくともレースがない海外の馬たちにとって、受け皿的存在になる可能性も出てきた。だが、それには超えなければならないハードルもあるという。
「長距離輸送や通常の検疫が必須となるのは当然ながら、さらにコロナ感染拡大防止の一環として一時隔離も免れないでしょう。
また馬だけではなく人も同様です。UAEから帰国したCルメール騎手と古川吉洋騎手や関係者たちは、JRAから2週間の自宅待機を要請されました。さらに先日、皐月賞に出走するサリオスに騎乗するため、オーストラリアから来日したD.レーン騎手も2週間の自主隔離を行っていると伝えられています。
いくら出走するレースがないからとはいえ、ここまでして出走にゴーサインを出すかには疑問符が残りますね。遠征にかかる費用を考えれば、レースの結果次第では、赤字になることもありますので」(競馬記者)
NHKマイルCやヴィクトリアMなどに外国調教馬が出走することはあるのだろうか? 今後の動向を注意深く見守りたい。