JRA皐月賞【登録馬】コントレイル、サリオスをディープ記念制したサトノフラッグが迎え撃つ! 直行VS王道の三つ巴
19日には中山競馬場で牡馬クラシックの皐月賞(G1)が行われる。今年のクラシックの特徴はなんといっても直行組の多さだろう。上位人気が予想される有力馬の多くが、トライアルレースを使わずに本番に直行を表明した。
近年は調教技術の進化もあって、かつてのようにトライアルを叩いてから本番という常識が過去のものになりつつあるのかもしれない。昨年の皐月賞にしても勝ち馬サートゥルナーリアはホープフルS(G1)から直行で勝利している。
ホープフルSを制した昨年の最優秀2歳牡馬コントレイル(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)がついに始動する。東スポ杯2歳S(G3)を5馬身差で圧勝すると、続くホープフルSでは騎乗した福永祐一騎手が「捕まっていただけ」とコメントしたほどの強さを見せて優勝した。
中間でも休み明けを感じさせない動きを披露した。栗東・坂路で大阪杯(G1)出走の僚馬ステイフーリッシュと併せたが、G1出走の古馬を圧倒する動きに陣営も「やっぱり凄いわ。全くの馬なりだから」とモノが違うと言わんばかりだった。
昨年の朝日杯FS(G1)を勝ったサリオスも負けてはいない。新型コロナウイルス感染拡大防止の関係で鞍上の調整が危ぶまれたものの、レーン騎手は既に来日して問題は解決した。
再コンビで挑む皐月賞に陣営は「初めての中山、初めての2000mですけど、そのあたりは馬の底力を信じて」と無傷4連勝での皐月賞制覇に野心を見せている。
直行組のG1馬2頭を迎え撃つのがサトノフラッグ(牡3、美浦・国枝栄厩舎)だ。父ディープインパクトの名を冠する弥生賞ディープインパクト記念(G2)を父を彷彿とさせる強さで快勝した。ホープフルSで3着のワーケアを問題にしなかった強さは、ここでも勝ち負けの期待が大きい。C.ルメール騎手との初コンビに注目したい。
これら「3強」をまとめて負かす可能性があるなら京成杯(G3)で鮮やかな差し切りを見せたクリスタルブラック(牡3、美浦・高橋文雅厩舎)だろう。キズナ産駒は初年度から2歳重賞勝ちを決めるなど仕上がりも早く、ディープインパクトの後継種牡馬としての期待も日ごと高まっている。京成杯もゴール前ではまだ手応えに余裕もあり、直行でも侮れない1頭だ。
マイラプソディ(牡3、栗東・友道康夫厩舎)の巻き返しにも注意したい。単勝オッズ150円と圧倒的な1番人気に支持された共同通信杯(G3)では見せ場なく4着に敗れた。ただ、武豊騎手が「ただただ、走らなかった」とコメントしたように能力を発揮できていなかった可能性もある。無敗で3連勝を決めた馬だけに見限るのは早計だろう。
ダーリントンホール(牡3、美浦・木村哲也厩舎)は共同通信杯(G3)を勝利した。前走葉牡丹賞(1勝クラス)では3着と敗れたが、見違える内容で初重賞制覇を遂げた。この馬も直行組だが、近年の皐月賞は共同通信杯組が好走する傾向も強く、一発ありそうだ。
スプリングS(G2)では2着に敗れはしたが、ホープフルSを2着したヴェルトライゼンデ(牡3、栗東・池江泰寿厩舎)は休み明けを使われて巻き返しを期す。
この他にもきさらぎ賞(G3)で初重賞勝ちを決めたコルテジア(牡3,、栗東・鈴木孝志厩舎)やホープフルSでは11着と大敗したが、スプリングSではヴェルトライゼンデに快勝したガロアクリーク(牡3、美浦・上原博之厩舎)なども虎視眈々とタイトルを狙っている。
直行VS王道という意味でも力関係の把握が難解な牡馬クラシック第1弾となりそうだ。