JRA緊急事態宣言も「開催」決定。「金より命」「国庫納付金だから」関係者の間で「賛否」が分かれた意見とは!?
8日、JRAは緊急事態宣言が発出されたことを受け、新たな新型コロナウイルス感染拡大防止策とともに、11日以降の開催を継続することを発表した。
新たに発表された取り組みは、「競走馬の他ブロック競走への出走制限」と「競馬開催における騎手の移動制限」と「認定調整ルームの運用について」だ。これにより人馬の移動を減らし、調整ルームでの密集を防ぐ効果が見込まれる。
この決定の裏側では、競馬関係者から賛否の分かれる意見が飛び交ったようだ。
「ある調教師は『国民にイベント、外出の自粛を求めている状況のため、最低でも数週間は開催を中止するべきだと思う。今はお金より人命だろう。今週から始まる福島に緊急事態宣言の対象都府県から多くの人が流入するため、考えただけで怖いよ』と、警鐘を鳴らしていました」(競馬記者)
各スポーツは現在中止を余儀なくされている状況だ。さらにJRA職員から3名の新型コロナウイルス感染者が発生しているため、開催に懐疑的な意見がで出ることも納得である。
しかし、開催継続に前向きな意見もあった。
「別の調教師は違う視点で考えていました。『競馬は中止にならないと思う。なぜなら国庫納付金を納めているから。今後、経済対策でお金が必要になるだろうし』と開催継続の理由を話していました」(同)
この意見と同様のコメントを発表したのが、JRAより先に開催継続を決定した東京シティ競馬だ。公式ホームページで「TCKでは、引き続き無観客競馬を開催することで、23特別区の財政貢献に努めてまいります」と発表している。
理想を語れば、感染拡大は100%ないと言い切れる状況で開催を行い、経済活動を潤すのが1番。しかし、そう簡単な話ではないため、開催決定の是非は意見が分かれるだろう。そのため、今回のJRAにとっても大変な決断だったに違いないはずだ。
JRAの開催継続の発表を受けて、日本調教師会会長の橋田満調教師は「競馬はこういう状況で楽しめる数少ないスポーツ。在宅で観戦することができ、(馬券で)参加することもできます」と『サンケイスポーツ』の取材に答え、競馬は在宅で楽しめるスポーツであることをアピールした。
また、日本騎手クラブ会長の武豊騎手は「こういう状況のなかでの競馬の役割をしっかり果たしたい。競馬は国民の娯楽。困難な状況ですが、きっちり社会に貢献したい。こういう事態になって改めて競馬の力を見せたいと思っています」と意気込みを語った。
今回、開催することが決まり、ホッとしたファンは多いはず。娯楽を奪われてしまうと、ただでさえ自粛疲れの状況に加えて、より気が滅入ってしまう。我々は競馬が開催されることに「感謝」を忘れてはならない。
緊急事態宣言の期間は5月6日まで続く。「Stay Home」ぜひ週末は自宅で競馬を楽しんでいただきたい。