JRAダノンプレミアム「アーモンドアイから逃亡」!? クイーンエリザベスS(G1)がまさかの賞金「半額」も、長い目で見ればたいしたことない?
11日(土)、オーストラリアのランドウィック競馬場でクイーンエリザベスS(G1)が開催される。
オーストラリアといえば、昨年リスグラシューがコックスプレート(G1)、メールドグラースがコーフィールドC(G1)を優勝。またクルーガーも、昨年のドンカスターマイル(G1)で4着、クイーンエリザベスSで2着と好走しており、日本馬にとって相性のいいイメージがあるだろう。
今年は日本代表としてダノンプレミアム(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)が挑戦する。昨年のクイーンエリザベスSでクルーガーが、豪州最強牝馬ウィンクスに1馬身半差まで迫る2着に健闘した。それだけに、これらを上回る実績を持つダノンプレミアムにかかる優勝の期待は大きい。
同じくモズアスコット、マイスタイルもオーストラリア遠征を予定していたが、新型コロナウイルスの影響により出国直前で遠征を断念。その一方、ダノンプレミアムは予定通りに現地入りをして万全の態勢で調整を行っている。
最終追い切りに騎乗した猿橋助手は「今日の調教の動きには満足しています。我慢するところは我慢できましたし、合図を出してからの反応も良かったです。精神的に落ち着いていて良い状態をキープしています」とコメント。ダノンプレミアムにとって初の海外挑戦も、順調な仕上がりのようだ。
昨年は金鯱賞(G2)、マイラーズC(G2)と重賞2勝を挙げたダノンプレミアムだが、G1では2着2回とあと1歩のレースが続いた。
イマイチ波に乗れていないダノンプレミアムだが、クイーンエリザベスSが「覚醒」のきっかけになるかもしれない。
金鯱賞で破った相手のリスグラシューはコックスプレートを制した後、有馬記念(G1)で歴戦の牡馬相手に5馬身差をつける圧勝。また昨年オーストラリア遠征を敢行したクルーガーも、4日にダービー卿CT(G3)を制したばかり。オーストラリア遠征後に、日本での好走例があるだけに、ダノンプレミアムにとって今回の遠征がプラスに働くかもしれない。
「現地」ブックメーカーの前売りでも1番人気に推されているように、現地でもその実力を高く評価されている。実力を発揮できれば、17年の朝日杯FS(G1)以来のG1制覇も濃厚だろう。
だが、1つだけダノンプレミアムにとって残念なニュースがある。
3月29日、主催者から新型コロナウイルス感染拡大の影響でクイーンエリザベスSの賞金が「減額」されることが発表された。理由は馬券売上の大幅減が見込まれるためのようだ。
これによりクイーンエリザベスSの1着賞金は232万豪ドル(約1億6200万円)から116万豪ドル(約8090万円)になり、「半額」となってしまった。またレースの総賞金も半額になっている。
遠征費用もかかっているだけに、オーナーにとってはかなりの痛手だろう。だが、これをきっかけに昨年リスグラシューが見せたような覚醒をしてくれれば、打倒アーモンドアイも夢ではない。そう考えればこの減額にも嘆いてはいられないだろう。
レースはJRAのインターネット投票による馬券の発売も行われ、グリーンチャンネルでも放送される。発走時刻は日本時間14:55(現地時間15:55)を予定している。ぜひ、ダノンプレミアムには勝利を飾って暗いニュースの続く日本に勇気を与えてもらいたい