JRA「検量室は静か」「素っ気ない」開催継続の裏側で「バレット」はいつもより大変!?
9日、JRAは非常事態宣言の発出を受け、10日から東京のJRA本部ビルを閉鎖することを発表した。原則、職員は在宅勤務となり、競馬開催には自宅から移動することになる。
8日には、今後の競馬開催継続とともに、「人馬の移動制限」等の新たな感染拡大防止策を発表したJRA。新型コロナウイルスの感染拡大防止策をますます強化している。
しかし、9日にはJRA職員から4人目となる感染者が出てしまい、今後の開催についても「不安」がつきまとうのが現実だ。
現在、競馬関係者において感染予防の意識が高まっており、これは騎手や厩舎関係者に限った話ではない。
騎手の身の回りの世話をするバレットも同様である。仕事内容はレースの斤量に合わせた鞍の準備、後検量の手伝いといったもの。騎手がレースに集中できるよう、身の回りの世話をするため、「気遣い」が重要な仕事だ。
バレットはJRAに雇用されているのではなく、騎手個人が雇用するという形態と取っている。そのため、平日は別の仕事をしている一般人が多い。またひとりで、複数の騎手の担当を掛け持ちしている場合もある。
そんなバレットは騎手に接触機会が多いため、注意喚起が行われているようだ。
「バレットは競馬場で騎手と話さないわけにはいかないですし、移動を共にする事も圧倒的に多いです。さらに平日は通勤に電車を使って仕事をしている人が多いため、どこで感染していてもおかしくない状況です。先週、関東では北村宏司騎手がバレットを集めて競馬場での検温やマスクの徹底を呼びかけていました」(競馬記者)
JRAから目の届きづらい存在なだけに、クラスターの発生源となる可能性に注意が払われているのだろう。
「今の状況にバレットも息苦しさがあるようです。『JRA職員から感染者が出た事で、騎手たちも疑心暗鬼になり、検量室での会話も少なく静か。マスコミへのレース後のコメントも素っ気ないものになっている』とあるバレットが現状を話していました」(別の記者)
華やかな表舞台に立つジョッキーを陰でサポートしているバレット。競馬開催の裏側では、今まで以上に“気遣い”が必要な状況になっているのかもしれない。
競馬は在宅で楽しめるスポーツとして、自粛ムードの現在では数少ない娯楽である。これを継続するためには、バレットの陰での努力と気遣いが必要不可欠なのだろう。