JRAオジュウチョウサンに「死角」あり!? 中山グランドジャンプ(G1)「金字塔」かそれとも「大金星」か……

 18日(土)に中山競馬場で中山グランドジャンプ(G1)が開催される。やはり注目を集めるのは絶対王者オジュウチョウサン(牡9歳、美浦・和田正一厩舎)だろう。

 現在、障害レースの重賞12連勝中で向かうところ敵なしのオジュウチョウサン。中山グランドジャンプに至っては4連覇中だ。もちろんこれは同一重賞連覇では最多記録であり、今年優勝すれば5連覇の「金字塔」を打ち立てることになる。

 一昨年にはオジュウチョウサンが有馬記念(G1)に出走して大きな話題となった。結果は残念ながら9着に沈んだが、障害王者の勇気ある挑戦に変わりはない。その後は障害路線に戻り、昨年の阪神スプリングジャンプ(G2)、中山グランドジャンプと連勝して絶対王者の貫禄を見せつけた。

 それから再度、平地競走への挑戦を続けるも、3連敗を喫してしまい、当時8歳という年齢から衰えが囁かれ始めた。そのため、今年始動戦の阪神スプリングジャンプは、障害レースにもかかわらず単勝オッズは1.7倍。オジュウチョウサンが障害レースで単勝オッズ1.5倍を割ったのは、約3年半ぶりのことだ。

 ファンにとっては期待と不安が入り混じる中レースを見守ったが、全く心配無用だった。結果は2着のシングンマイケルに9馬身差の圧勝。さらにコースレコードを0秒7更新するおまけ付きだ。不安を完全に払拭し、絶対王者の座を再度揺るぎないものにした。

 ここまでの臨戦過程で中山グランドジャンプ5連覇も確実視されるオジュウチョウサンだが、ライバルも黙ってはいない。

 やはりライバルとなるのは、昨年の最優秀障害馬シングンマイケルだ。前走でオジュウチョウサンに9馬身差をつけられてはいるが、まだ見限るには早いだろう。

「昨年、シングンマイケルが重賞3連勝を決めた舞台はすべて関東圏です。前走の阪神は実力を発揮しきれなかったという見方もできます。実際に2年前に阪神で行われた三木ホースランドジャンプS(OP)に出走した際、2番人気の支持を集めるも4着に敗れました。前走の敗因はコースにあるかもしれませんね」(競馬記者)

 また昨年の中山グランドジャンプ2着馬のシンキングダンサーを指標にすると、同レースでオジュウチョウサンは0秒4差の勝利。対して、シングンマイケルは中山大障害(G1)でシンキングダンサーに対して0.7秒差をつけているのだ。単純比較はできないが、中山コースでの逆転の可能性も感じられる。

 実際に、シングンマイケルに騎乗する金子光希騎手は「今回はコースも替わるし、いろいろ考えるところはあるので」とコメント。どうやら作戦がある様子で、オジュウチョウサンの死角を発見したのかもしれない。

 今年の中山グランドジャンプはオジュウチョウサンが「金字塔」を打ち立てるのか、シングンマイケルが「大金星」を挙げるのか、それとも第3極の台頭か。障害レースの大一番から目が離せない。

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