JRA 「G1」外国産馬出走なら2020全勝!? 「あの穴馬」がフェブラリーS&高松宮記念の「モズ軍団」に続く?

 19日、中山競馬場で3歳牡馬クラシック第1弾の皐月賞(G1)が行われる。前走の共同通信杯(G3)で重賞初制覇を飾ったダーリントンホール(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)は虎視眈々と戴冠を狙っている。

「前走・共同通信杯」組は過去10年で4勝と相性が良く、勝率28.6%は他のステップレースに比べても突出して高い。上位人気組とはまだ対戦しておらず、ダーリントンホールは未知の魅力を感じさせる1頭といえるだろう。

 最終追い切りは美浦ウッドの3頭併せで、古馬2頭に先着。ラストは、鞍上のゴーサインにしっかり反応し、5F68秒6-1F12秒0をマークした。状態は確実に上がっており、勝負気配が漂う。

 血統面にも注目だ。父のニューアプローチは現役時代にイギリスとアイルランドで11戦して「8-2-1-0」と安定した成績を残した。半兄には1998年の高松宮記念覇者シンコウフォレストを持つ、日本にも所縁がある血統である。

 種牡馬としては、2013年に2000ギニーを制したドーンアプローチを輩出。日本ではダーリントンホールを含め8頭がJRAで走り、半数の4頭が勝ち上がっている。産駒の1頭ベストアプローチは2017年の青葉賞2着という実績がある。

 英国産のダーリントンホールだが、皐月賞は外国産馬にとって決して相性がいいレースとは言えない。皐月賞に外国産馬の出走が認められたのは2002年のこと。2003年にタイガーモーションが外国産馬として初めて皐月賞に出走して17着に大敗。それを含めてこれまで12頭の外国産馬が皐月賞に出走しているが、2014年アジアエクスプレスの6着が最高着順である。馬券に絡むどころか、掲示板にすら載ったことがない。

 しかしダーリントンホールにとっていい流れも生まれている。

 今年のJRAでは外国産馬が大活躍中。フェブラリーSと高松宮記念で外国産のモズアスコットとモズスーパーフレアがG1を制覇。G1レースの2勝、そしてダーリントンホールの共同通信杯勝ちを含め、今年は外国産馬が重賞をすでに5勝している。これは早くも2019年の合計に並ぶ数字である。

【外国産馬の重賞勝利、2019年以降】
2019年
1. 根岸S/コパノキッキング
2. オーシャンS/モズスーパーフレア
3. 高松宮記念/ミスターメロディ
4. ダービー卿CT/フィアーノロマーノ
5. カペラS/コパノキッキング
2020年
1. 東海S/エアアルマス
2. 根岸S/モズアスコット
3. 共同通信杯/ダーリントンホール
4. フェブラリーS/モズアスコット
5. 高松宮記念/モズスーパーフレア

 先週の桜花賞では外国産馬の出走がなかったため、皐月賞でダーリントンホールが勝てば、今年のG1・3機会で外国産馬が3連勝ということになる。また、ダーリントンホールには外国産馬の牡馬クラシック初制覇も懸かっている。

 牝馬は2007年オークスでローブデコルテがクラシック制覇を達成しているが、牡馬クラシックでは外国産馬の優勝はいまだなし。2002年にシンボリクリスエスがダービーで2着に入ったのがこれまでの最高着順である。

 2020年外国産馬の旋風は吹き続けるのか、それとも皐月賞で止まってしまうのか、カギはダーリントンホールが握っている。

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