JRA 天皇賞・春フィエールマン&ユーキャンスマイル「併せ馬失敗」に不満顔!? 手塚調教師「最後、流す格好に……」想定外に“波乱”の気配

 22日、来週5月3日に行われる天皇賞・春(G1)へ向け、出走各馬が続々と1週前追い切りを行った。

 今年は連覇の懸かるフィエールマンと、前哨戦の阪神大賞典(G2)を制したユーキャンスマイルの「2強」が主役。王権継続か、新時代の幕開けか――。

 春の盾を巡り、東西に分かれた2頭が早くも“ド派手”な花火を散らしているが、その「内容」は決して順調ではなかったようだ。

 まずは、長距離界の王者として君臨するフィエールマン(牡5歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。昨年末の有馬記念(G1)では、凱旋門賞(仏G1)帰りという難しい状況の中での4着。改めて、トップクラスの実力を示した。

「溜めて行きたかったけど、(かなり早めに)追いついちゃったね……」

 美浦のWコースで行われた1週前追い切りでは5ハロン65.9秒、ラスト12.3秒。動き自体は決して悪くなかったが、陣営としては“想定外”の内容になってしまった。というのも本来であれば、同厩ニシノコトダマと併せ馬を行う予定だった。だが、フィエールマンが最後の直線に入る前に並ぶ間もなく、ぶっちぎってしまったのだ。

「これには手塚貴久調教師も『(併せ馬ができず)最後、流す格好になってしまった』と不満顔だったとか。状態面に関しては『前走の有馬記念よりいいし、昨年(天皇賞・春を)勝った時よりもいい』と自信を持っているようですが、鞍上との折り合いが大事な長丁場でのレースだけに“暴走”気味だったのは心配ですね。

 とはいえ、まだ1週前追い切りです。これが良いガス抜きになってくれれば。最終追い切りは軽めになると思いますが、改めて注目したいですね」(競馬記者)

 ただ、記者は「本当なら主戦のC.ルメール騎手に駆けつけてほしいところですが……」とも。新型コロナウイルスの感染防止策で、騎手の東西移動が制限されているため、関西のルメール騎手は最終追い切りにも騎乗できない見込みだ。

 一方、打倒フィエールマンの最右翼ユーキャンスマイル(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)も、決して万全とは言えない1週前追い切りとなったようだ。

 栗東のCウッドで1週前追い切りを行ったユーキャンスマイルは、6ハロン77.7秒という猛時計。ラストも12.1秒という本馬にしては充実した時計だったが、記者は首を傾げる。

「これだけの時計が出たのは、最後まで併せ馬に追いつけなかったから。かなり後ろから追走する形でしたが、結果は約1馬身の遅れ……1勝クラスの3歳馬(デゼル)に、あまり馬体を併せることもできなかった内容には不安が残ります。

 友道調教師が『この馬なりには動けていた』と話している通り、もともと攻め駆けするタイプではないですが、あと1週でどこまで変わってくるか。前走(阪神大賞典)の追い切りが良かっただけに、今回は少し気になります」(別の記者)

 フィエールマンとユーキャンスマイルは、初対決となった一昨年の菊花賞(G1)で1着・3着という間柄。今年の天皇賞・春は、そんな同世代のライバル「2強」の争いと見られているが、一波乱あるのかもしれない。

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