JRA打倒フィエールマンにM.デムーロが燃える!? アンカツ「騎乗ダメだし」&C.ルメール「八大競走完全制覇」達成から1年越し……
「すごくいい思い出です。初めて春の天皇賞を勝ててすごくうれしかった。八大競走をすべて取ることもできました」
昨年、C.ルメール騎手はフィエールマンで天皇賞・春(G1)を制し、史上3人目となる八大競走完全制覇を達成。保田隆芳元騎手、武豊騎手らとともに、またひとつ歴史に名を残すことになった。
今年、ルメール騎手とフィエールマンは天皇賞・春連覇を狙うべく出走するが、その前に4人目の八大競走完全制覇を目指す、M.デムーロ騎手がシルヴァンシャー(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)とともに立ちふさがる。
シルヴァンシャーは父ディープインパクト、母はG1・11勝を上げ2002年にアメリカの年度代表馬にも輝いたアゼリという血統を持つ。デビューからしばらくはくすぶっていたが、2年前の秋に500万(現1勝クラス・芝2400m)から3連勝でオープン入りを果たした。
前走の京都大賞典(G2)では、先行したドレッドノータスが勝ち、逃げたダンビュライトが粘って2着に入る前残りの展開の中、後方から脚を伸ばして3着。重賞初出走ながら、善戦している。
「シルヴァンシャーはデビュー後、芝2000m以下で使われていましたが、鳴かず飛ばず。ところが芝2200以上になると4戦して3勝3着1回と目覚ましい結果を残しています。母馬アゼリは芝1800m以下のレースで活躍していましたが、産駒には意外な長距離適性があるのかもしれませんね」(競馬誌ライター)
今回そのシルヴァンシャーはデムーロ騎手とは2年以上ぶりのコンビ結成。デムーロ騎手は天皇賞・春に5回騎乗しているものの、2002年のボーンキング、昨年のエタリオウでの4着が最高着順。6度目の春盾挑戦で、同レース初勝利を挙げることができるかが注目されている。
「デムーロ騎手はルメール騎手に強い対抗心を持っています。そのライバルに八大競走完全制覇を先んじられたため、自分もいち早くそれを達成したいと燃えているはず。
昨年、デムーロ騎手は2番人気に支持されたエタリオウに騎乗していましたが、元JRA騎手の安藤勝己氏からも『さすがにスタートからあそこまで下げたら届かない。展開も団子の瞬発力勝負で、軽い馬場といい、力負けでないことは確かやね』などと指摘される不味い競馬を見せて4着。ルメールが騎乗したフィエールマンには1秒差をつけられて完敗を喫しました。
今年は昨年とは同じ轍を踏むことはないはず。昨年の失敗を糧に、乾坤一擲の走りを期待したいです」(競馬記者)
シルヴァンシャーは坂路で行われた1週前追い切りでは僚馬に2馬身ほど遅れた。だが、4F52秒6、ラスト12秒4と時計は悪くない。これは併せた相手がハッスルしてしまったためと見るべきだろう。
デムーロ騎手はシルヴァンシャーでフィエールマン×ルメールの連覇を阻み、八大競走完全制覇を達成することができるだろうか。