JRA馬場造園課「レコードは決して望んでいない」。NHKマイルC(G1)歴史的「超高速決着」濃厚も、まずは「安全第一です」
今週末10日には東京競馬場で3歳マイル王決定戦・NHKマイルC(G1)が開催されるが、気象庁によるとレース当日の予報は曇り。一時、危惧されていた降雨による馬場の悪化は、大きな心配にはならなさそうだ。
2歳女王レシステンシア、3連勝中の無敗馬サトノインプレッサら有力馬の陣営の多くが「良馬場」での開催を望むコメントを発表していることからも、良好な馬場状態で迎えられることは何よりだろう。
そんな中、JRA東京競馬場の永野圭馬場造園課長が『スポーツ報知』のインタビューに応じている。
詳細は記事をご覧いただきたいが、東京競馬場は毎年、この5月、6月開催を最後に年に1度の芝の張り替えを行う。だからこそ、本開催は“総決算”として馬場造園課の腕の見せ所だ。永野課長も「できることはキッチリやりたい」と改めて意気込みを語っている。
実際に、春開催の東京は馬場コンディションが非常に良好で、レコードが出やすいことで有名だ。昨年もヴィクトリアマイル(G1)でノームコアが1:30.5で走破し、従来のレコードを1秒も更新する“スーパーレコード”を叩き出したことは記憶に新しい。
そして今年も、先週2日にNHKマイルCと同じ東京のマイルで行われた1勝クラスでは1:32.1という「超」高速タイムで決着。これは近5年のNHKマイルCの勝ち時計を上回る時計だ。なお、勝ったピーエムピンコは、3月のチューリップ賞(G2)で3着レシステンシアから0.4秒差の8着だった。
この事実からも今年のNHKマイルCは、かなりの高速決着が予想される。レコードは2010年にダノンシャンティが記録した1:31.4だが、それ以来の1分31秒台の決着も視野にいれるべきだろう。
「毎年、高速決着することで有名な春の東京開催ですが、今年は例年に輪を掛けて速い。昨秋の東京開催では京王杯2歳S(G2)や、東京スポーツ杯2歳S(G3)などでレコードが連発。その影響が、そのまま春開催にも出ている印象です。
NHKマイルC当日の予報は曇りで、もしかしたら少し雨が降るかもしれません。ですが、雨の影響が残った昨年も1:32.4で決着(発表は良馬場)。今年も高速決着になることは、ほぼ間違いなさそうです。有力馬に高速馬場を得意とする馬が多いので、ハイレベルなレースが期待できそうですね」(競馬記者)
しかし、その一方で競馬ファンの間では「超高速決着=馬の故障につながるのでは」という見方が根付いている。