JRA NHKマイルC(G1)ラウダシオン完勝の“裏”にC.ルメールとの呉越同舟!? 「クリストフもさすがだった」M.デムーロにあった「2つ」の選択肢
10日、東京競馬場で開催されたNHKマイルC(G1)は、9番人気のラウダシオン(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が優勝という波乱の結果。鞍上のM.デムーロ騎手は、これで嬉しいNHKマイルC連覇となった。
「すごく嬉しいですね!」
18頭立てで行われた芝1600mのレース。「スタートがよく出る馬で、一番いいところにつけたいと思っていた」というデムーロ騎手の言葉通り、ラウダシオンはスタートを決めて、果敢にハナを奪ったレシステンシアがぴったりマークする2番手をキープ。逃げ馬にプレッシャーをかけ続けると、東京の長い直線で叩き合いに持ち込んで競り落とした。
「レース後、デムーロ騎手が『今日の馬場は後ろが伸びないと思ったから、スタートから最後まで前めでと考えていた』と話した通り、このレースも典型的な“行った行った”の競馬になりましたね。ただ、単純に展開に恵まれただけでなく、デムーロ騎手の好決断が光ったレースだと思います」(競馬記者)
というのも好スタートを決めて、レシステンシアと並んだデムーロ騎手には「2つ」の選択肢があった。レシステンシアと争うか、協調するかだ。同じ東京で勝ち切った前々走のクロッカスS(L)は逃げ切りだったが、デムーロ騎手が選んだのは「後者」だった。
「スタートしてからほんの一瞬のことでしたが、結果的にデムーロ騎手の判断が勝敗を分けましたね。最後にラウダシオンがレシステンシアに勝ってしまったことは驚きましたが、もしデムーロ騎手がレース序盤からレシステンシアに競り掛けて行っていれば、結果はまったく違ったと思います」
「クリストフ(ルメール騎手)もさすがだったけど、最後で差し切れそうな気持ちがあった」
レース後、そうレシステンシアとルメール騎手を称えたデムーロ騎手。これで今年は大阪杯に続く、G1・2勝目だ。大舞台で強いデムーロ騎手の真骨頂といえるレースだった。