JRA ヴィクトリアマイル(G1)史上最高払戻額の立役者「ミナレット2世」!? 大波乱呼ぶ『人気薄の逃げ馬』はあの馬?
今週末に開催されるヴィクトリアマイル(G1)。波乱の決着を迎えることが多く、2015年にはG1史上最高払戻額となる3連単2070万5810円を記録。従来の記録を2倍近くも更新する“まさに夢の1戦”となっていた。
その年の勝ち馬は前年の覇者ストレイトガール。2着には12番人気ケイアイエレガント、そして3着には18番と最低人気のミナレットが入っている。
レースでは江田照男騎手を背にしたミナレットが外から好スタート。ハナを主張し、5馬身ほど離れた2番手でケイアイエレガントがついていく展開。1番人気に支持された前年のオークス馬ヌーヴォレコルトは6番手辺りで機をうかがう。
ミナレットは1000m通過タイムが56秒9というハイペースを作り上げた。このペースで最後まで行くのは至難の技。4角辺りで脚が鈍ると、誰もが考えていたはずだ。しかし最後の直線に入っても前を行く2頭の脚は止まらない。さすがにゴールまで脚は保たず、ストレイトガールの強襲に屈したものの、ケイアイエレガントは2着、ミナレットは3着と粘りを見せて大波乱の立役者となっている。
「この1戦のキーマンとなったのはやはりミナレット。『人気薄の逃げ馬は買い』という競馬の格言通りの活躍をしてくれましたね。
ミナレットは大波乱に何かと縁があり、このヴィクトリアマイルのほかにも、2歳新馬戦を14番人気ながら勝利し、JRAの払戻金ランキング1位となる3連単2983万2950円を叩き出しました。またこのときは2着3着が同着だったため、裏でも1491万6520円と10位にランクイン。ヴィクトリアマイル後は成績が振るわずに引退してしまいましたが、記録にも記憶にも残る1頭だったのではないでしょうか」(競馬誌ライター)
逃げた馬が人気薄だとマイペースに走れることが多い。これは後続馬がプレッシャーをかけることがあまりないためだという。これを逆手にとって逃げ馬や先行勢が波乱を巻き起こすこともあるが、その際たる例が15年のヴィクトリアマイルだったのかもしれない。
「いまの東京競馬場の馬場コンディションは絶好。こうなると先行馬のスピードが落ちづらいこともあり、逃げた馬と2番手につけた馬のワンツーだった先週のNHKマイルC(G1)のように、『行った行った』の前残りの展開になりやすいといわれています。
今回のメンバーで先行しそうなのは、コントラチェックとセラピア、トロワゼトワルの3頭。実績面からコントラチェックがハナを奪うとマークが厳しそうですが、もしトロワゼトワルやセラピアが好スタートを決めて主導権を握ることになれば、面白いことになるかもしれません」(競馬記者)
『netkeiba.com』の事前オッズで、セラピアは12番人気、トロワゼトワルは13番人気だと予想されている。この2頭はミナレット同様に、波乱の立役者となることはできるのだろうか?