JRA 武豊「UAEオークス3着」セランが関東オークス(G2)参戦! 「海外挑戦」の夢をつなぐか、打ち砕くライバルが登場するのか!?
今年のオークス(G1)は松山弘平騎手のデアリングタクトが勝利。63年ぶりとなる“無敗の2冠女王”誕生に沸いたが、10日(水)に川崎競馬場で開催される”砂のオークス”こと関東オークス(G2、ダート2100m)も、武豊騎手が主戦を務めるセラン(牝3歳、栗東・松永幹夫厩舎)が出走するとあって、大いに注目を集めている。
今年1月の呉竹賞(1勝クラス)で、武豊騎手を背に見事な逃げ切り勝ちを決めたセラン。管理する松永幹夫調教師はレース後に、「UAEオークス(G3)に向かいます」と名言。さらにケンタッキーオークス(G1)のポイント対象レースでもあったため、「いい競馬をすれば米国に向かう予定」と、米国挑戦も視野に入れていた。
夢をかけて出走したUAEオークスで、セランは4番手で進む。逃げを打ったダウンオンダバイユーに4角手前で並びかけるも、直線で伸びを欠き突き放され、さらに後続にも交わされて3着。陣営はレース後、競馬ライターの平松さとし氏の取材に応じ、「この結果だと厳しいかもしれませんね。この後、どうするかはまた考えたいと思います」と、今後のプランを白紙に戻すと明かした。
だが武豊騎手は勝ち馬の実力を讃えつつも、「セランはドバイにきて10日程度だし、イレ込んでしまったので力を出し切ったとは言えない」と本来の能力を出しきれなかったと語り、「また負けずに挑戦を続けたいですね」と今後の海外挑戦にも意欲的だった。
「前走でセランは初となる海外輸送、慣れない馬場、それらに加えて2番人気に支持されたゆえのプレッシャーもあったはず。またレース後には鼻出血も確認されていますし、心身ともに極限状態での1戦だったと考えられます。それでも馬券圏内に入っているのだから、その能力の高さは疑いようもありません。ここを勝利して、まだ見ぬ海外の強豪に挑戦し続けてもらいたいです」(競馬誌ライター)
関東オークスには、伏竜S(OP)で牡馬相手に5着と健闘したレーヌブランシュは松山弘平騎手が、東京プリンセス賞競走(G)を勝ったアクアリーブルは地方の雄・矢野貴之騎手がそれぞれ鞍上を務める。またクラシックの夢破れ、ダートに活路を見出そうとするフラワーC(G3)5着クリスティはM.デムーロ騎手、菜の花賞勝ち馬アールクインダムは三浦皇成騎手と挑戦する。
交流競走では唯一の3歳牝馬限定戦である川崎オークスは、10日(水)20時10分発走予定。武豊のセランが「海外挑戦」の夢をつなぐか、それとも他のライバルがそれを打ち砕くか。