JRA迫りくる「世代交代」の波!? アーモンドアイ「8冠」に暗雲!? 安田記念(G1)敗戦で大きく遠のいた偉業! 新たな刺客続々
7日、東京競馬場では最強マイラー決定戦・安田記念(G1)が行われ、単勝オッズ1.3倍の圧倒的1番人気に支持されたアーモンドアイ(牝5、美浦・国枝栄厩舎)はグランアレグリアの2着に敗れた。
前走のヴィクトリアマイル(G1)をノーステッキで2着を4馬身突き放す大楽勝から臨んだが、初対決となった昨年の桜花賞馬を前に2馬身半差の完敗を喫してしまった。アーモンドアイがここまで積み重ねたG1勝利数は競馬史上最多タイの7勝。安田記念の敗戦により、史上初となる8勝達成はお預けとなった。
7冠馬を破る金星をあげたグランアレグリア陣営から秋は1200~1600mの距離を使う予定を説明しており、おそらくこれが最初で最後の対決となる見込みだ。
天敵との対決が再現しそうにないことはアーモンドアイにとって朗報かもしれない。だが、悲願達成に残された期間はそう長くない。同馬が所属するシルクレーシングのクラブ規約が6歳3月末を引退期限としており、年内での引退が現実的である。
これを考慮すると今秋のG1でどこかを勝利することが”偉業達成”の絶対条件となりそうだ。
アーモンドアイが秋に出走した古馬相手のレースは、3歳ではジャパンC(G1)、4歳では天皇賞・秋(G1)と有馬記念(G1)の3つがある。安田記念の敗因を中2週のローテーションに求めるしかなかった陣営としてはこれらを”皆勤”する可能性はほぼない。
余裕のあるローテーションを組むことを前提とすれば、中3週の間隔となる天皇賞・秋からのジャパンCもおそらくない。天皇賞・秋から昨年は熱発で回避することになった香港C(G1)が最も現実的なローテーションだろう。
「安田記念の敗戦はかなり痛かったです。この後は宝塚記念を使わずに秋に備えることになりますが、厳しい現実が待っているかもしれません。今年はよりにもよって3歳に無敗のクラシック2冠を達成したコントレイルとデアリングタクトがいることが、アーモンドアイにとって大きな脅威となりそうです。
コントレイルは菊花賞の次にジャパンC出走を表明しましたし、デアリングタクトも出走する可能性があります。有馬記念にもいずれかが出て来る可能性がありますし、昨年9着に敗れた舞台です。天皇賞・秋なら2頭との対決はありませんが、サリオスが出て来る可能性も考えられます。昨年のリベンジを狙うサートゥルナーリアの動向も気になりますね」(競馬記者)
他の選択肢としてもマイルCS(G1)にはグランアレグリア、エリザベス女王杯(G1)にも大阪杯(G1)を制したラッキーライラックらの出走が考えられる。
改めて考えてみると安田記念こそが最大のチャンスだったのかもしれない。
アーモンドアイは次々に現れる刺客たちの包囲網を突破して、色褪せた輝きを取り戻すことができるだろうか。
最強女王の秋の巻き返しに注目したい。