JRAなぜC.ルメールは日本に愛されるのか? 日本の“同期”M.デムーロが明かした「知られざる一面」
先週の安田記念(G1)で史上初の芝G1・8勝に挑んだアーモンドアイは圧倒的1番人気に支持されるも、1歳年下の桜花賞馬グランアレグリアの2着に敗れた。
主戦のC.ルメール騎手は「出遅れましたが、上手くリカバリーできた。本来の彼女ならもっといい脚を使えたと思います。コンディションは良かったのですが……」と悔しがった。さらに負けた相手のグランアレグリアは前々走まではルメール騎手が手綱を取っていたお手馬。勝手知る相手にまさかの敗戦で、悔しさはひとしおだったのではないだろうか。
自身が「特別な存在」とゾッコンするアーモンドアイの敗戦に、大きなショックがあったはずのルメール騎手だが、レース直後に意外な行動を見せている。
「グランアレグリアに騎乗した池添謙一騎手ですが、3コーナーで芝の塊が顔に直撃した影響で、右目を腫らした状態で勝利ジョッキーインタビューに登場しました。
インタビュアーも含め、誰もがケガの状態を心配していましたが、その最中になんとルメール騎手が登場すると、アイシング用の氷を池添騎手に手渡すホッコリするシーンがありました」(競馬記者)
この行為にネット上の競馬ファンからはSNSや掲示板を通じて「すばらしい!」「ルメール騎手は本当に良い人」「これこそがスポーツマンシップなんだろな」など、ルメール騎手の紳士的な一面に称賛を送る声が続々……。
だが実は、これは表にはなかなか映し出されないほんの一部のようだ。
『netkeiba.com』で連載中のM.デムーロ騎手のコラムにて、同じようなルメール騎手とのエピソードが明かされている。詳細は本サイトを確認いただきたいのだが、NHKマイルC(G1)をデムーロ騎手がラウダシオンで制した際、ルメール騎手が真っ先に「ミルコ、よかった!」ってフランス語で祝福してくれたと語っているのだ。
NHKマイルCの状況は安田記念と酷似しており、ルメール騎手は1番人気レシステンシアに騎乗して2着に敗れた。デムーロ騎手によって自身のG1勝利を奪われたにもかかわらず、真っ先に祝福するというのはなかなかできることではないだろう。
「ルメール騎手は通年免許を取得してから、今年で6年目になります。かつて、日本人にはディープインパクトを破った“ヒール”というイメージも多少はあったかもしれませんが、今は全くないですね。
その理由は人柄の良さにあるのではないでしょうか。日本人が大切にする相手を思いやる気持ち、日本文化を愛する姿勢。また、フランス人ならではの家族を大切にするところも、好感が持たれていますね。まさに日本人の心を鷲掴みといったところでしょうか」(競馬記者)
3年連続リーディングに輝くなど、日本競馬を代表する存在であるルメール騎手。昨年、初来日した同郷のM.ミシェル騎手に対しても、JRA通年免許取得に向けてアドバイスを送るなど、世界との懸け橋にもなっている。
今年、ルメール騎手は86勝でリーディングトップ、G1・3勝と相変わらず絶好調。ファンの応援を背に、4年連続リーディング獲得へ突き進むだろう。