JRA宝塚記念(G1)1週前追い切りでサートゥルナーリア超抜のキレ、対するラッキーライラックは猛時計で好調アピール! 追い切りから見える「注目」の展開とは……
阪神競馬場で行われる春のグランプリ宝塚記念(G1)に出走を予定している有力各馬の1週前追い切りが17日に行われた。
サートゥルナーリア(牡4、栗東・角居勝彦厩舎)は栗東CWでC.ルメール騎手を背に6ハロン79秒8-11秒2の超抜時計をマークした。
天皇賞・春(G1)を5着と健闘したトーセンカンビーナを一瞬で交わし去り、ラスト1ハロンは11秒2と切れに切れた。これには追い切りに騎乗した主戦のルメール騎手も「ペースアップして反応がすごく良かった。フットワークも速かった」と状態に太鼓判。ホープフルS(G1)、皐月賞(G1)に続く、G1・3勝目に向けて順調さをアピールするには十分な内容だったといえるだろう。
対するラッキーライラック(牝5、栗東・松永幹夫厩舎)は同じく栗東CWで6ハロン78秒7-11秒8の猛時計をマーク。全体時計ではライバル・サートゥルナーリアの79秒8より1秒1も速かった。
管理する松永幹夫師は「先週よりも動きはよかったと思います」と冷静にジャッジ。「体も増えてパワーアップしている」とコメントしていることからもデビュー時の480キロから大阪杯(G1)では520キロと、大幅に馬体重を増やしたラッキーライラックの成長と現在の充実ぶりがうかがえる。
そしてこの追い切り内容から、なんとなく2頭の位置取りや展開も透けて見えそうだ。
サートゥルナーリア陣営はラスト1ハロンを11秒2と、終い重点で切れを引き出すことを想定できそうな追い切り。
対するラッキーライラック陣営は全体を速い時計で追い切った。昨年のエリザベス女王杯(G1)ではこれまでに見せたことのない中団から前を行く馬を差し切ったが、切れよりもスピードを重視の印象だ。宝塚記念のイメージとしては、おそらく先行抜け出しで押し切った大阪杯(G1)のイメージに近いのではないだろうか。
「サートゥルナーリアは昨年の天皇賞・秋(G1)でポジションを取りに行く積極策で6着と敗れ、折り合いを優先した有馬記念(G1)では後方待機策からリスグラシューの2着と巻き返しています。
前走の金鯱賞(G2)こそ超スローペースだったこともあって5番手からの競馬で勝ちましたが、今回も出たなりで戦法を変えてきそうな雰囲気がありますね。ルメール騎手が最近よく口にしている『リラックス』を重視するなら、ここも無理には出していかない可能性が高そうです。
ラッキーライラックは中山記念(G2)、大阪杯とM.デムーロ騎手が騎乗していずれも先行策で好走をしています。おそらく切れ勝負では分が悪いでしょうから早め早めの競馬でサートゥルナーリアの末脚を封じるような展開を想定しているかもしれません」(競馬記者)
2頭の鞍上の近走の騎乗からも前目で競馬をするラッキーライラックをサートゥルナーリアがマークする展開が濃厚ではないだろうか。
また、ラッキーライラックのデムーロ騎手にとって、サートゥルナーリアはデビューから3戦でコンビを組んだ馬である。18年のホープフルSを勝利の際には「来年が楽しみ」と絶賛した馬だ。
デムーロ騎手は、ライバルとして戦うことになった宝塚記念でかつての相棒を倒すことができるだろうか。