JRA 武豊「ベタ惚れ」才女パラスアテナ求めて久々福島へ!? 「能力がある」7年ぶりの「苦行」も意に介さず?
「道中から良い感じで、追ってからもしっかりしていました。能力があります」
5月23日に行われたカーネーションC(1勝クラス)をパラスアテナ(牝3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)で勝利した武豊騎手は、レース後、相棒のポテンシャルを称賛した。
パラスアテナは父ルーラーシップ、母ステラリード、母父スペシャルウィークという血統を持つ。半姉たちがダートを主戦場としていたこともあり、同馬も今年の1月にダートでデビュー。だが、2戦したものの、勝ち上がることはできなかった。
そのため、陣営は芝への転向を決意。するとこれが見事にハマり、吉田隼人騎手を背に向かった4月の福島競馬3歳未勝利(芝2000m戦)を、2着に5馬身差をつけて圧勝。これまでの走りが嘘だったかのように、快勝してみせた。
そして5月はカーネーションCに出走を果たす。武豊騎手と新コンビを結成したパラスアテナは、5番手の好位で追走。直線で外に出されると上がり最速33秒3の脚を使い、ライバルたちを豪快に交わして芝のレース2連勝を決めた。
「カーネーションCには、ソウルスターリングの半妹であるスパングルドスター、サンデーレーシングで1口200万円で40口募集されたカトゥルスフェリスら、良血馬も出走していました。ですが、それらを歯牙にもかけずに勝利を収めています。
今後、パラスアテナは自己条件戦も視野に入れられていたものの、格上挑戦となるラジオNIKKEI賞(G3)への出走を決めたそうです。所有する『広尾サラブレッド倶楽部株式会社』(愛馬会法人)のHPに掲載された高柳瑞師のコメントによれば『仮に軽斤でも武豊騎手が乗ってくれる』からとのこと。
武豊騎手は例年、この時期は中京競馬場を拠点にしていることが多く、福島競馬に遠征するのは、昨年のラジオNIKKEI賞以来、1年ぶり。このレースにしても、過去10年で騎乗したのは昨年のゴータイミング(3着)、16年のブラックスピネル(5着)の2回のみ。武豊騎手がこのパラスアテナのために福島競馬へ足を運ぶということは、その才能を認めているからだと見ていいはずです」(競馬記者)
ラジオNIKKEI賞はハンデ戦だ。武豊騎手は『仮に軽斤でも』騎乗を決意しているようだが、1勝クラスの牝馬で格上挑戦に打って出た昨年のサヴォワールエメ、一昨年のロードライト、3年前のバルベーラはいずれも51キロの斤量を背負っての出走だった。1勝クラスのパラスアテナも、斤量が51キロになる可能性がある。
「もしもパラスアテナの斤量が51キロだった場合、武豊騎手がその斤量で重賞に挑むのは、13年のCBC賞(G3)で騎乗したザラストロ以来、7年ぶりとなります。
武豊騎手は2014年6月の自身の日記に、『52キロなら減量なしで騎乗できますし、50キロだってちょっと頑張れば乗れます』と綴っています。これは普段からの節制の賜物ですが、やはり51キロの出走になるとある程度の苦労は伴うはず。しかしそれすらも苦にならないほどの逸材だと考えているのでしょうね」(競馬誌ライター)
パラスアテナは軽斤量の武豊騎手背に勝利を収め、“夏の上がり馬”として秋を向かることができるのだろうか?