JRA CBC賞(G3)ハンデ重賞「選択ミス」の声を吹き飛ばす「降着」リベンジ!? クリノガウディーを強力後押しする“前例”あり
「最強の1勝馬から脱却したいと思っています」
5日に阪神競馬場で行われるCBC賞にクリノガウディー(牡4歳、栗東・藤沢則雄厩舎)を出走させる藤沢則調教師が語った言葉だ。
今年の高松宮記念(G1)で初の1200m戦に出走したクリノガウディーは、15番人気の低評価ながら1位入線を果たした。だが、最後の直線で斜行したため、4着に降着処分となり、G1勝利を逃してしまった。
“幻のG1馬”はこれまでに2018年の朝日杯FS(G1)で2着、19年の中京記念(G3)で2着、今年の東京新聞杯(G3)で3着と好走しているが、勝ち鞍は「新馬戦」のみ。このことから、「最強の1勝馬」と呼ばれているのだ。
後味の悪さが残った高松宮記念以来のレースとなるCBC賞では、何としてでも実力を証明したいところだろう。
だが、陣営にとって想定外となったのは58キロのトップハンデを背負うことだ。実際に、ハンデキャップの発表を受けて「57キロと思っていたけどね」と藤沢則調教師は漏らしたほどだった。その後も、「前走は4着降着とはいえ、1位で入線しましたからね。ハンデに関してはしょうがないかなと思っています。ただ1勝馬なんですけどね……」と、決定を受け入れながらも、どこか腑に落ちない様子だ。
実際に、これには「別定戦の函館スプリントS(G3)に向かったほうが良かったのでは」とファンの間では囁かれるほど。
しかし、そんなクリノガウディー陣営にとって嬉しい“前例”がある。9年前に、今年と同じく阪神で行われたCBC賞を勝ったダッシャーゴーゴーの存在だ。
「実は9年前の高松宮記念で、ダッシャーゴーゴーは4位入線を果たすも3コーナーで内側に斜行して他馬の進路を妨害したことにより、11着に降着となりました。しかし、同馬は次走にCBC賞を選択し、見事に優勝を飾っています。
当時、すでに重賞2勝を挙げていたダッシャーゴーゴーは58.5キロのトップハンデを課せられましたが、それを克服して勝利を挙げました。単純に高松宮記念の入線順位だけを見れば、ダッシャーゴーゴーが4着で、クリノガウディーは1着。入線順位で上回るクリノガウディーの58キロは妥当、もしくは恵まれているという考え方もできそうです」(競馬記者)
1週前追い切りでは栗東・坂路コースで4ハロン50秒4の一番時計を出したクリノガウディー。終い重点で行われた最終追い切りでも、ラスト11秒9の切れ味を披露し、初重賞制覇へ余念のない仕上げだ。
CBC賞ではトップハンデを克服し、「1勝馬」の肩書を「重賞勝ち馬へ」と書き換えることができるだろうか。