JRAプロキオンS(G3)サクセスエナジーに立ちはだかる「19戦全敗」の壁。2連勝中も、キンシャサノキセキ産駒の「苦戦」は不可避?

 12日(日)、阪神競馬場ではダートの短距離重賞、プロキオンS(G3)が行われる。上位人気が濃厚のサクセスエナジー(牡6歳、栗東・北出成人厩舎)は、2連勝中と勢いにのるが、血統面から苦戦が予想される。

 7日17時現在、『netkeiba.com』の予想オッズは以下の通り、サクセスエナジーを含めた4頭の人気が拮抗している。

【プロキオンS予想オッズ『netkeiba.com』、7日17時現在】
2.6倍 サクセスエナジー
3.9倍 サンライズノヴァ
5.4倍 レッドルゼル
5.5倍 ラプタス
13.8倍 ミッキーワイルド

 “4強”のうち、サンライズノヴァは59kgという酷量、レッドルゼルは初重賞という点が嫌われ、この2頭は3~4番人気に落ち着くのではないだろうか。残ったサクセスエナジーとダート7戦6勝でまだ底を見せていないラプタスのどちらかが1番人気に支持されることも予想される。

 5月の天王山S(OP)と栗東S(L)を連勝し、勢いに乗るサクセスエナジー。従兄弟には、2009年のフェブラリーS(G1)などダートG1を3勝したサクセスブロッケンがいる生粋のダート血統だ。近親のほとんどがダートを主戦場にしており、サクセスエナジー自身も27戦すべてダートを使われてきた。

 注目したいのが、父キンシャサノキセキ産駒の傾向だ。一般的には、芝・ダート兼用種牡馬という評価だが、これまでJRAで挙げた375勝の約60%にあたる225勝がダートでの勝ち鞍。勝率も芝の6.3%に対し、ダートは8.4%と、どちらかと言えばダート寄りだ。

 しかし、重賞レベルでは少し話が違ってくる。

「キンシャサノキセキ産駒は中央の重賞を7勝していますが、全て芝コースでのもの。地方では30近いダート重賞を勝っていますが(7日現在、29勝)、JRAではまだダート重賞を勝ったことがありません。サクセスエナジーも地方交流重賞は3勝していますが、JRAでは3戦して4着が最高着順です」(競馬誌ライター)

 キンシャサノキセキ産駒のJRAでの重賞成績は芝の「7-10-4-75」に対して、ダートは「0-1-1-17」と対照的。オープンまたはリステッドのダート競走だと「10-8-8-50」なので、同産駒にとってダート重賞は高い壁として立ちはだかっていることがわかる。

 サクセスエナジー自身もオープンとリステッドでは「3-1-0-2」だが、重賞は「0-0-0-3」とその壁を越えられずにいる。

 南半球生まれの父は7歳と8歳時に高松宮記念(G1)を連覇するなど、6歳以降に本格化した遅咲きだった。芝・ダートで舞台は違うが、サクセスエナジーも6歳を迎え充実著しい。父と同じような成長曲線を描くためには、 “鬼門”のダート重賞をあっさりクリアしたいところだ。

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