JRA武豊フルフラット、負かした相手が大レースを制覇! ジャパンダートダービー(G1)打倒カフェファラオの”カギ”となるのは

 5日、フランスのシャンティイ競馬場で行われたフランスダービー(ジョッケクルブ賞・G1)は、イギリス馬ミシュリフが直線を力強く抜け出し、初G1勝利を飾った。同馬とコンビを組んだI.メンディザバル騎手は短期免許で来日したこともあり、日本でもお馴染みの騎手である。

 ミシュリフのフランスダービー制覇により、俄然注目が大きくなったのは8日に大井競馬場で開催されるジャパンダートダービー(G1)に出走するフルフラット(牡3、栗東・森秀行厩舎)だ。

 同馬は2月にサウジアラビアで行われたサンバサウジダービーCで、ミシュリフに2馬身1/4差をつけて快勝している。同馬を管理する森秀行調教師は、国際派としても知られる名伯楽でもあり、日本国内でも重賞勝ちの実績すらなかったフルフラットで果敢に挑戦して勝利をあげた手腕はまさにおそるべし。完勝した相手がダービー馬となった今、フルフラット陣営としても大一番に自ずと力が入るだろう。

 気になるのは前走ユニコーンS(G3)を6着に敗れたことだ。ハイペースで逃げたレッチェバロックをカフェファラオが直線2番手から並びかけると、2着デュードヴァンに5馬身差をつける大楽勝。フルフラットは勝ち馬から遅れること1.7秒後のゴールとなった。

 栗東の坂路で49秒台という破格の時計を連発していたフルフラットとしては想定外の完敗。完璧に仕上がったと豪語していた森調教師の目論見は脆くも崩れ去った。

 ただ、このとき手綱を取った田中勝春騎手が「海外帰りの休み明けだったしね。これで変わってくるよ」とコメントしたことに望みがある。当初予定していたUAEダービーが新型コロナ感染拡大防止のため、ドバイ国際競走が中止。遠征帰りの初戦で勝利を飾ったのはヴィクトリアマイル(G1)のアーモンドアイくらいで、他の馬がことごとく凡走したのは軽視できない。

「ユニコーンSでは追い切りの時計こそ抜群でしたが、精神面が追い付いていなかった可能性もありますね。芝スタートとなる東京のダート1600m条件も芝で勝利のある同馬には悪くないと思えただけに物足りない印象だったのは確かです。

ですが、一度使われたことでガス抜きが出来たと考えれば、大井の舞台は歓迎かもしれません。距離が2000mに延長されることもプラスになりそうです」(競馬記者)

 ここで気になるのは、フルフラットのサンバサウジダービーC勝利後に森調教師が出した「サウジの砂は相当深くて日本の方が浅い」と評したコメントである。

 しかし、日本でほぼ実績がないに等しかったフルフラットが、強さを発揮したのはサウジの深い砂だったのは確かだ。そう考えるとハイペースのユニコーンS敗戦もある程度は許容できる範囲だろう。

 さらにジャパンダートDは大井の深い砂コースで開催されるだけに、フルフラットにとってこれは大きい。圧倒的1番人気に支持されることが濃厚なカフェファラオが、中央の浅い砂の経験しかないことに付け入る隙があるかもしれない。

 2002年にはゴールドアリュール、03年はビッグウルフ、05年はカネヒキリで3度の優勝経験がある武豊騎手のマジックにも期待したい。

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