JRAドゥラモンド手塚貴久調教師「普通に勝てる」とジャッジも苦笑い……歯切れが悪い理由は「あの馬」の存在
11日、土曜福島5R(芝1800メートル)に出走予定のドゥラモンド(牡2、美浦・手塚貴久厩舎)が必勝態勢だ。今年のクラシックに多くの有力馬を送り込んだ手塚厩舎だが、新馬戦でもすでに2勝をあげているように好調だ。
ドゥラモンドは半兄に17年の新潟大賞典(G3)勝ちのサンデーウィザード、18年のダービー卿CT(G3)勝ちのヒーズインラブがいる良血だけに、兄に続いて重賞制覇の期待がかかる。
父のドゥラメンテはクラシック2冠を制した名馬だ。祖母にエアグルーヴ、近親にルーラーシップがいるダイナカール一族の血統でもあり、新種牡馬として大きな期待をかけられている。
1週前追い切りの1日には美浦の南ウッドで3歳2勝クラスと併せて5ハロン67秒0、ラスト1ハロン12秒5の好時計をマーク。陣営も「気性は素直だし、調教の感じもいい」と能力を高く評価。デビュー戦の鞍上にD.レーン騎手を起用した。
だが、「普通なら勝つレベルにあるのだけれど……」と素質は認めつつも言葉を濁した理由は、師が「ドゥラメンテ産駒の流れが良くないからね」と続けたことである。
ドゥラメンテは今年期待の新種牡馬として新馬戦に多くの有力馬を送り込んだものの、アスコルターレの1勝のみに留まり、【1.1.1.14/17】と思うような結果を残せていないことは陣営としても気になるようだ。
「同じようにドゥラメンテ産駒の連敗ストップを期待されたスワーヴエルメでさえ、2着に敗れたのはいい材料とはいえませんね。この馬はセレクトセールで1億9440万円にて取引されたように非常に高い評価を受けていました。
そのスワーヴエルメでさえ、負けてしまったとあれば陣営が勝てるレベルとジャッジしたドゥラモンドも『もしかしたら……』という不安を感じるのも仕方がないかもしれません」(競馬記者)
はたしてドゥラモンドは見事勝利を飾って、父の汚名を返上することができるだろうか。
種牡馬ドゥラメンテの今後を占う意味でも注目の一戦となりそうだ。