JRA友道厩舎の「王道」新馬戦で期待のディープインパクト産駒がデビュー! 最強ニックスでワグネリアン超えか!?
13、14日に行われた日本最大のサラブレッド競市「セレクトセール2020」は総売却額が歴代2位という大盛況に終わった。
2日間の合計落札額は187億6200万円で、200億円を超えた昨年を下回る結果だったものの、コロナ禍、当歳馬にディープインパクト、キングカメハメハ産駒不在ということを考えれば、大健闘の結果と言えるだろう。
その中でも、ディープインパクト産駒の人気がかなり際立っていた。同産駒は12頭が落札され、合計で24億9700万円の値がついた。これはセレクトセール全体で432頭が売却されたのに対し、わずか2.8%相当の売却頭数であるディープインパクト産駒が、全体売上の13.3%を占めている。現在、8年連続で種牡馬リーディングに輝いているだけあって、さすがの内容だ。
そんなディープインパクト産駒は今週末に2頭の2歳馬が新たにデビューする。特に注目したいのが、19日の阪神5R芝2000mに出走するレッドジェネシス(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。
父ディープインパクト、母リュズキナ(母父Storm Cat)という血統のレッドジェネシス。叔父には英2000ギニー(G1)、愛ナショナルS(G1)を制したキングオブキングスがいる良血馬だ。
また、父ディープインパクト、母父Storm Catのニックスも活躍を予感させる。これまでにキズナ、サトノアラジン、リアルスティールなどのG1馬、最近ではダノンキングリーがこのニックスに該当しており、血統面は申し分ないだろう。
全兄のIl Brioは片目失明で日本での競走馬登録が叶わなかったため、リュズキナの仔としてはレッドジェネシスが初出走となる。だが、関係者からはまだデビューしていないにもかかわらず、高評価の声が聞こえてくるという。
「『今年のノーザンファームのディープインパクト産駒ではトップクラス』『父にそっくり』とレッドジェネシスの評判はかなりいいですね。乗り込み十分で、初戦からかなり注目を集めることになりそうです。これまで『レッド』のディープインパクト産駒は目立った活躍馬がいませんが、この馬が歴史を変えるかもしれません」(競馬記者)
また、友道厩舎が19日の芝2000mをレッドジェネシスのデビュー戦に選んだことも、期待の表われだろう。
18年の日本ダービー(G1)を制したワグネリアンがデビューしたのは、7月16日の中京芝2000m。今年は京都競馬場の改修工事の関係で変則開催となっているため、中京ではなく阪神開催となっている。つまり、実質はワグネリアンと同じデビュー戦ということだ。
さらに鞍上はワグネリアンをダービー馬に導いた福永祐一騎手。今年はコントレイルで2冠達成と勢いに乗っている。まさに友道厩舎の王道でレッドジェネシスは新馬戦を迎えることになるのだ。
友道厩舎の先輩ワグネリアンが切り開いた道筋をさらに強固なものするのが、レッドジェネシスの使命となるだろう。新馬戦での走りに注目したい。