JRA絶対王者オジュウチョウサン「弟」コウキチョウサンが障害2勝目!一方、1番人気馬まさかの“飛越拒否”で騎手落馬
18日、福島競馬場で行われた障害オープンは、3番人気のコウキチョウサン(牡7歳、美浦・和田正一郎厩舎)が優勝。歴史的ハードラー・オジュウチョウサンの弟が、また1つ階段を登った。
12頭立てで行われた障害3380mのレース。好位からのレースとなったコウキチョウサンは、最終コーナーで大逃げしていたエンシュラウドを捉えて先頭へ。このまま楽に勝利するかと思われたが、最終障害を着地した際に躓くアクシデント。最後はマイネルヴァッサーに半馬身差まで詰め寄られたが、辛くも障害2勝目を飾った。
「障害未勝利を勝ち上がってから、これでオープン4戦目になりますが、着実にレベルアップしていますね。この日は、勝負所での手応えも抜群でしたし、楽勝まであるかと思われましたが、最後の障害は、あわや落馬するかと思いました。上手く立て直して勝ち切ったのは、兄オジュウチョウサンの主戦も務める石神深一騎手の冷静なプレーでしたね」(競馬記者)
この勝利で賞金を加算できたこともあり、重賞も視界に入ってきたコウキチョウサン。今後の活躍によっては、偉大な兄オジュウチョウサンとの兄弟対決も実現するかもしれない。ファンの期待も膨らむばかりだ。
その一方、このレースで1番人気に推されたクオンタムシフトは、道中の障害でまさかの飛越拒否……。鞍上の北沢伸也騎手が落馬し、競走を中止するという珍しい事象が起きた。
一昨年の萩S(OP)でサートゥルナーリアの4着に好走するなど、平地で活躍したクオンタムシフトは、今年3月に障害入り。障害初出走の未勝利戦を完勝し、前走のオープンでも3着するなど、ハードラーとして非凡な才能を見せている。
この日も最初の障害の飛越の上手さで先頭に立つと、後続を引率。1番人気に相応しい堂々たる走りだったが、3つ目の障害でまさかのアクシデントが起こった。
後続を5馬身以上引き離して警戒に飛ばしていたクオンタムシフトだったが、3つ目の障害が迫った際に、突如大きく外へ逸走。まるで飛越すること拒否したようにも見える急激な斜行に、北沢騎手も振り落とされるように落馬してしまった。
「驚きました。直線の中程にある障害なので視界は良いはずなのですが、クオンタムシフトの方が驚いたように逸走してしまいましたね。後続を大きく引き離して逃げていたので、馬が物見をしてしまったのかもしれません。非常に珍しいケースですが、幸い騎手も馬も無事な様子。今回は残念でしたが、才能のあるコンビだけに仕切り直しの1戦に期待したいです」(同)
今回は1番人気を裏切ってしまったクオンタムシフトだが、勝ったコウキチョウサンと同じく未来は明るそうだ。絶対王者オジュウチョウサンが君臨するハードル界に、新風を吹き込む存在になるかもしれない。