JRA「無情」スタートに非難轟々!? 騎乗馬暴れるも待ってもらえず太宰啓介騎手、スタート後わずか2秒で「落馬」→競走中止……
“こと”が起きたのは19日(日)、阪神競馬場の7レース、3歳以上1勝クラスの一戦だった。太宰啓介騎手が騎乗する6番人気のルーアンがスタート直後に落馬、競走中止となった。
競馬にアクシデントはつきもの。落馬や競走中止がない日の方が珍しいくらいだ。しかし、この日のルーアンの落馬・競走中止は、スタートから約2秒後という“超速”だったことに加え、ゲートが開くタイミングの悪さが物議を醸した。
発端はルーアンがゲートイン直後から暴れる素振りを見せていたことだ。他の馬たちが次々とゲートに収まる中、ルーアンは落ち着きがなく、何度となく立ち上がろうとしていた。
「全馬のゲートイン後も、ルーアンは首を横に振るなど煩いところを見せていました。スターターもゲートを開けるタイミングを見計らっていたのですが……。改めてパトロールビデオを見直しましたが、太宰騎手は振り落とされないように、右腕をゲートに掛けていました。ゲートが開いたのはまさにその瞬間です。
馬はジャンプするようにスタートを切ってしまいましたが、太宰騎手は右腕をゲートに掛けていたため、反動で馬の背中にしりもちをつくような形となり、その後、隣の馬とも接触。スタートから2秒ほどで落馬してしまいました」(競馬記者)
落馬してしまった太宰騎手にとっては最悪のタイミングでゲートが開いたことあり、6番人気ルーアン絡みの馬券を買っていたファンは、僅か2秒でハズレが確定してしまったことになる。
この結果には、タイミング悪くゲートを開けたJRAのスターターに対し、SNSなどでは非難の声が飛び交った。「明らかにスターターの判断ミス」。「いったん(馬が)落ち着いたのに、暴れ出したタイミングで開けるなんて……」。「審議対象にしてほしい」など、多くの非難の声が聞かれた
一方で、スターターをかばう声もあった。「馬の気性が悪いのも込みで馬券を買うべきだ」。「全馬がゲートイン後に、あの1~2秒で判断するのは至難の業」などである。
「そうはいっても、スターターと呼ばれる発走委員は、その道を究めたプロが務めています。スターターの役割は、全馬が入ったら速やかにスタートするのが基本です。中には今回のルーアンのように急に立ち上がる馬もいるため開扉のタイミングは難しく、かなりの鍛練が必要といわれています。レースがない日は調教拠点で各馬のゲート練習を観察し、1日何百頭という馬の癖を確認し、レース当日のスターター業務に生かしているそうですよ」(同)
もちろん動物が相手なので、予期せぬアクシデントも起こるだろう。それでも競馬は1つのレースで億単位の金が動く。ファンからすると、僅か2秒で馬券が紙くずになることを納得するのは難しいかもしれない。
コンマ数秒の違いで勝負が決するのが競馬だ。一瞬の判断で勝ち負けが決まるのは、馬や騎手だけではない。レースを運営する側も同じだけの責任と重圧を背負っている。