JRAエリザベス女王杯(G1)に電撃参戦!? 「最強3歳牝馬」デアリングタクト最大のライバルはあのディープインパクト産駒か

 30日、イギリスのグッドウッド競馬場で行われたナッソーS(G1)はディープインパクト産駒のファンシーブルー(牝3歳、愛・D.オブライエン厩舎)が優勝。連覇に挑んだ日本馬ディアドラは最下位の7着に敗れた。

 ファンシーブルーは仏オークス(G1)に続くG1・2勝目となり、父ディープインパクトの命日にイギリスから天国に勝利を捧げた。

 2番手からレースを進めたファンシーブルー。逃げた1番人気マジックワンドが5着に沈んだことからも、先行馬にとって厳しい流れだった。だが、追い込んできたワンボイスの追撃を振り切って、押し切り勝ち。2着とは「クビ差」だが、着差以上に強い内容での勝利といえるだろう。

 レース後、D.オブライエン調教師は次走について、9月に行われるメイトロンS(G1)か愛チャンピオンS(G1)のどちらかと明かした。その後はオペラ賞(G1)か凱旋門賞(G1)を予定しているという。

 そして最も驚くのが、3走目の予定だ。D.オブライエン調教師は「ブリーダーズカップ(G1)か日本のエリザベス女王杯(G1)。賞金が高いし、仏オークス馬が勝てばボーナスが付くからね」と話しているのだ。

 現状、参戦の可能性はわずかかもしれないが、ディープインパクト産駒の欧州G1馬がエリザベス女王杯参戦となれば盛り上がることは間違いない。日本は今、無敗の2冠馬デアリングタクトをはじめ、ラッキーライラック、クロノジェネシス、アーモンドアイなど牝馬全盛時代である。もし、ファンシーブルーがエリザベス女王杯に出走してくるようであれば、いずれかの馬が迎え撃つことになるだろう。

「ファンシーブルーは欧州馬ですが、ディープインパクト産駒ということで日本の馬場にマッチする可能性は高そうです。今年のエリザベス女王杯は京都の改修工事の影響で、阪神で代替え開催となります。もし、この対決が実現したら、ディープインパクト亡き後の伝説の一戦として語り継がれるかもしれませんね」(競馬記者)

 楽しみなレースとなりそうだが、欧州馬のエリザベス女王杯参戦と言えば、日本馬にとって苦い記憶がある。

 2010年のエリザベス女王杯は、同年に牝馬3冠を達成したアパパネが1番人気に支持された。その一方、イギリスから参戦した英・愛オークス馬のスノーフェアリーは4番人気に甘んじた。

 だが、蓋を開けてみるとスノーフェアリーの「4馬身差」の圧勝に終わった。日本の3冠牝馬はなすすべなく、世界の壁に跳ね返されてしまったのだ。その翌年もスノーフェアリーは来日し、エリザベス女王杯の2連覇を達成。外国馬による日本の平地G1連覇は、後にも先にもこの1頭だけである。

 奇しくも、今年はデアリングタクトが3冠牝馬に挑戦しようとしている。もし、3冠牝馬としてエリザベス女王杯に参戦したところにファンシーブルーが来日するとなれば、“10年前の弔い合戦”となるだろう。

 デアリングタクトに立ちはだかるのは国内のライバルではなく、海外のディープインパクト産駒になるかもしれない。

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