JRA岩田康誠「笑ってしまうくらい下手に」クイーンS(G3)1番人気スカーレットカラー、2年連続「前が壁」で轟沈……
2日(日)、札幌競馬場で行われた夏の牝馬重賞、クイーンS(G3)は11番人気のレッドアネモスが優勝。単勝配当4370円、3連単配当は15万3700円という波乱に終わった。
レッドアネモスに騎乗した吉田隼人騎手は、2週前の函館記念(G3)でも15番人気のアドマイヤジャスタを勝利に導いており、今夏の北海道で2度目の波乱を演出。2着には3/4馬身差でビーチサンバ、3着はさらにクビ差で1番人気のスカーレットカラーが入った。
逃げ馬がそろった今年のクイーンSは、レース前からハイペースが予想されていた。ペースをつくったのは藤田菜七子騎手が騎乗したナルハヤ。好スタートからハナを切ると、1000m通過が58秒2という予想通りのハイラップを刻んだ結果的には、逃げたナルハヤが8着に沈み、これを追走した先行馬たちもそろって馬群に消えた。
そんな中、終始最後方を進んだのが1番人気に推されたスカーレットカラー(牝5歳、栗東・高橋亮厩舎)だった。
スカーレットカラーは五分のスタートを切ると、鞍上の岩田康誠騎手は無理をせずに後方に下げ、1コーナーでは最後方の位置取り。道中は終始、武豊騎手が騎乗するサムシングジャストと馬体を併せてインを追走した。ペースを考えれば決して位置取りは悪くなかったが、終始インを進んだことが結果的に悔やまれることになった。
3コーナーを過ぎると馬群は徐々に凝縮。4コーナーでは、勝ったレッドアネモスのすぐ後ろにつけ、先頭も射程圏内に捉えていた。手応えも抜群で、岩田騎手“十八番”のイン突きが決まると思われたのだが……。
「4コーナーを回ったときは、レッドアネモスのすぐ後ろにスカーレットカラーが位置していました。勝った馬はやや外目に進路を取り、前が開きました。一方、スカーレットカラーは失速するコントラチェックとアロハリリーに挟まれ、急ブレーキをかける形になってしまいました。直線が短い札幌では致命的ともいえる不利でしたね。
元ジョッキーの安藤勝己氏も自身のツイッターで『スカーレットカラーは差し切れる脚が余ったで、捌きが悔やまれる』とコメント。安藤氏の指摘通り、岩田騎手がうまく捌いていれば突き抜けていたでしょうね」(競馬誌ライター)
SNSなどでも岩田騎手の“イン突き”にはファンから批判の声が上がった。それもそのはず、このコンビは、昨年のクイーンSでも直線で前が壁となり、脚を余しての2着に敗れているのだ。4コーナーでの位置取りから直線で前が壁になるところまで、まるで昨年のリプレーを見ているかのようだった。
「昨年は残り250m地点で前が壁となり、残り150m地点でようやく前が開きました。そこから豪脚を披露しましたが、ミッキーチャームにクビ差及ばず。今年も去年に負けないくらいの豪脚は披露したのですが、悔やまれます。去年の失敗があった分、今年は外に出してほしかったですね」(同)
2年連続で上がり最速をマークしながらの惜敗には、レース後の岩田騎手も「笑ってしまうくらい下手に乗ってしまった」「最後も空くだろうと思ったんだけど……」と反省しきりだった。