JRA夏競馬でも「西高東低」浮き彫り!? 競争なくして人は育たず……関係者も危惧する関東のお寒い状況
ローカル開催の続く夏競馬も8月に突入したが、相変わらず関西馬が関東馬を圧倒する結果が続いている。
特に顕著な結果となったのは、小倉開催が後ろにずれ込んだこともあり、関西馬が大挙押し寄せた新潟開催だ。先週の土曜新潟では関西馬が10勝を挙げ、日曜も7勝と大活躍。土日あわせると関西馬の17勝7敗と、ダブルスコア以上の大差がついた。
競馬界の「西高東低」は長らく指摘されてきたが、ここまで明確な差がつくと、さすがに深刻な事態というほかないだろう。
11R新潟日報賞(3勝クラス)をアフランシールが勝利したことで、土曜の連敗をストップさせたものの、皮肉なことに鞍上は関西所属の川田将雅騎手。日曜の新潟メイン・関越S(OP)においても関東馬でワンツーを決めながらも鞍上は川田騎手と松若風馬騎手だった。終わってみれば関西所属の騎手による3着以内の独占となってしまった。
これには関係者からも現在の状況について懸念する声が出ている。
「関西馬だけでなく、人も関西所属の騎手が関東所属の騎手を圧倒しています。川田騎手、福永祐一騎手を筆頭に、岩田望来騎手や幸英明騎手などの活躍が目立ちました。関西所属の騎手はピンポイントで関東馬に騎乗しても好結果を出すことが多いです。
ところが、同じように関東の騎手が関西馬に乗ったときには、勝ち切れないケースが目立っています。関東にも三浦皇成騎手、戸崎圭太騎手、石橋脩騎手などがいますが結果を残せていません」(関東のTM)
そのあたりはリーディング上位の大半を占めているのが、関西所属の騎手ばかりであることにも大きな関係がありそうだ。関東より熾烈な争いが繰り広げられている激戦区の関西だけに、勝利への貪欲な姿勢が如実に表れているのだろう。
勿論、東西で馬質の違いも大きな差となっていることも否定はできない。
「関西馬には乗っているだけでいいよ。関東馬はノーザンファームの馬くらいしかチャンスがない。でも、ノーザンは勝利至上主義だから関東馬でも依頼は成績上位の関西の騎手になる。それに新潟は能力の差が結果に直結しやすい競馬場で紛れも少ない。
特に新潟の外回りは流れも落ち着くし、直線もバラけやすいからある程度の位置を取ればなんとかなる。ダートはとにかく前へ行くだけだから、力のある馬はスタートさえ決めればグッと勝利に近づくよ」(関西のベテラン騎手)